ココヤシ村編
交錯する意志
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
もっとアーロンとネズミの動向に目を見張っていたら
もっと自分に力があったら
アーロンの非道な手口にもっと早く気付けていたら
「チクショウ……!!」
爪が?がれそうになるのも構わず、ナミは爪を地面の砂に食い込ませる。
「お前は、おまえは、オマエは……ッ!!」
何度、私を踏みにじり、ココヤシ村を、村の皆を苦しめば気が済むんだ!!
俺は約束を守る男だぜ?
1億ベリーだ、1億ベリー、俺の下に持ってこい
俺は金の約束を守る男だぜ?
チチチチ、何を言っているのか分からないな
1億ベリーだ!1億ベリーなんて大金、簡単に見つかるはずだろう!
あ?海軍だぁ?
とぼけるな!お前が海軍を差し向けたんだろうが!
俺がいつ約束を破った?
そりゃぁ不運だったな
また1億ベリーを集め終えた時に村を返してやるよ。俺は約束を守る男だからな
シャハハハ!
知っていたよ、全て。ナミ、お前が私達のためにアーロン一味に入り、お金を集めていたことも
どきなさい、ナミ!!
駄目、殺されちゃう……
ココヤシ村の解放こそが自分の全てだった。
どれだけ村の皆に無視されようとも、無垢な子供に罵倒されようとも、1億べリーが集まれば村が解放されると信じていたからこそ、頑張ってこれた。
8年間、命懸けで生き、お金を集めてきた。
だが、それも最早叶わぬ夢に過ぎない。
幻想は儚くも散り、残るは残酷な現実だけ
やっと、やっと1億ベリーを揃える目処が付いた。
これで、このお金でココヤシ村を解放することが出来ると信じて止まなかった。
しかし、理解した。
理解してしまった。
アーロンは最初から約束を守るつもりなどない。
奴にとって大切なのは航海士である私のみ
ココヤシ村などおまけに過ぎない。
自分を縛り付ける枷としか思っていない。
アーロンは最初から自分を解放する気など毛頭ないのだ。
これまでの8年の頑張りは水泡に帰してしまった。
その残酷な現実を聡明なナミが理解し、どうしようもない現実に打ちひしがれた時、遂にナミの心の防波堤が崩れ去ってしまった。
その瞬間、ナミのナニかが壊れた音が聞こえた。
「……あ」
「ああ"ぁ"あ"ぁ"あ""あ"あ"ア"ア"ア"ア"!!!!」
心身ともに限界を迎えたナミの絶叫が鳴り響く。
一人で戦うと決意し、もう泣かないと決めた一人の少女の心が決壊した。
涙が溢れ、絶叫は止まらない。
ナミの絶望の咆哮に村人達が振り返る。
嫌な予感を感じたノジコが目にしたのはナイフで自分の肩を突き刺そうとす
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ