ココヤシ村編
交錯する意志
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た。
アキトの前方で村人達が集まっている。
誰もがただならぬ雰囲気を出しながら武器を持ち、険しい表情を浮かべていた。
村人達を必死に止めようと立ちふさがるはオレンジ色の髪の少女
件の少女、ナミだ。
「私、またお金集めるから!頑張るから!」
ナミは今にも泣きそうになりながらも微笑む。
誰の目に見ても無理をしているのは明らかだ。
長年の必死の取り組みが無駄に終わったにも関わらず、今なお彼女はこの村を救うべく気持ちを奮い立たせている。
その身を犠牲にし、精神が張り裂けそうになっても彼女は笑っている。
無理をしているのは一目瞭然であり、痛々しくて見ていられなかった。
目元には泣いた跡が薄っすらとだが残っている。
自分が一番辛く、逃げ出しても誰も文句など言わないことを分かっているはずなのに笑っている。
全ては大好きなこの村を救うために……
この村が抱えている問題は自分が出張れば簡単に解決できるという自信があった。
だが、村人達は8年という長い間ナミのことを信じて耐え忍び、魚人達の支配を戦ってきたのだ。
最初は部外者である自分が出張るべきではないと考えていた。
しかし、その希望はもはや潰え、ナミの手でこの村が解放されることはもうない。
─ これでは余りにも彼女が報われない。あんまりだ ─
ナミの儚く、今にも崩れてしまいそうな笑顔を見て、アキトはこの問題に直接的に関わることを決意した。
何より彼女の必死の努力を踏みにじったアーロンをアキトは許さない。
断じて許してはならない。
アキトは決意を固めた顔で村人達の方へと足を進めた。
▽▲▽▲
ココヤシ村を殺気が支配する。
今ここにココヤシ村の村人達による魚人への反逆が始まろうとしていた。
「もはや、やつらの横暴を許すわけにはいかん!武器を取れ、戦うぞ!!」
彼の掛け声により村人達の士気が跳ね上がる。
ナミの必死の制止を振り切り、村人達はアーロンパークへとアーロンを倒すために進んでいく。
血濡れのナイフが足元に転がり落ち、ナミは途方に暮れることしか出来ない。
止められなかった
ゲンさん達を止められなかった
皆が行ってしまった
魚人との戦力差は明らかなのに
このままでは死んでしまう
アーロンに殺されてしまう
「……っ」
怒りと憎悪、自責の念により歯ぎしりを抑えられないナミ
「畜生……」
悔しくて堪らない。
何度も項垂れる形で地面に両手を振り上げ、叩き付ける。
「畜生ッ……!」
自分が
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