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世界に痛みを(嘘) ー修正中ー
ココヤシ村編
泥棒猫ナミ
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けですか」
「あともう少しで1億ベリーが貯まるってナミから聞いているからね」

 1億べリー、途方もない金額だ。
 とても1人の少女が稼ぐことができる金額ではない。

 自分も賞金首を海軍に引き渡すことで漸く億単位の資金を得たのだ。
 戦士ではないナミという少女は一体どれだけの重荷を背負っているのだろう。

 当人であるナミはノジコの隣で静かに寝息を立てている。
 彼女との会話の最中に帰還したナミはアキトの存在に目もくれず窓を粉砕し、疲れ果てたように伏してしまった。
 
 余程心身共に疲れ果てていたのだろう。
 まるで死んだように眠っている。

 まだ二十歳でもない少女が身を削り、奮闘せざるを得ない状況を作り出しているアーロン一味に憤慨せざるを得ない。
 しかし、あくまで部外者である自分がこの島を取り巻く状況に物申せる立場でもないのは事実であり、アキトはこれ以上踏み込むことは出来なかった。



「食事ありがとうございました。美味しかったです」
「構わないよ。それよりも早くこの島から出ていくんだよ」

 再度ノジコはアキトに忠告する。
 自分達が生きるか死ぬかの瀬戸際でもあるにも関わらず、赤の他人を気遣うとは優しい女性だ。

「ええ、分かっていますよ」

 無論、最初からアキトは素直にこの島を出ていくつもりはなかった。
 海賊と呼ばれる輩に碌な奴がいないことは知っている。
 まだ推測の域を出ないが、ナミとアーロンの取引は失敗に終わる可能性がかなり高いだろう。

 アーロンという魚人が金の約束を守ることが事実であったとしても、それはあくまでナミとアーロンの2人の間で交わされた約束だ。
 そこに第三者が介入してしまえばナミの8年の頑張りは無に帰してしまうだろう。

「……外が騒がしいわね?」

 蜜柑畑しか存在しない外が騒がしい。
 来客か、それとも村人の誰かが足を運んできたのだろうか。

 ノジコはアキトにこの場で静かにしているように言いつけ、外へと足を進める。
 先程まで眠っていたナミは既に起き、ノジコと共に外へと出ていった。

 アキトは沈黙した様子で佇み、ノジコ達を見送るのであった。







▽▲▽▲







 蜜柑畑にて海軍とナミ達が衝突する。
 ナミとノジコ、ゲンさん、それと対面する形で睨み合う。

「まさかあんた達、アーロンの指示で!?」
「チチチチ、何を言っているのか分からないな」

 海軍大佐ネズミは笑う。
 その顔にあくどい笑みを浮かべながら

「何をしている、お前達!1億ベリー(・・・・)だ!1億ベリー(・・・・)なんて大金、簡単に見つかるはずだろう!」

 そう1億ベリー(・・・・)
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