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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第二部 原作開始
序章 王都炎上
第十七話 公主帯同
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周辺諸国の民族とは違った雰囲気を持つ凛然たる美貌の女性の姿が現れた。「おお」とギーヴさんがその美貌に感嘆の声を上げている。ちょっと、鼻の下伸び過ぎ!

「ご助勢痛み入る。パルスのお方!…と…そちらの女性はシンドゥラの方か?」

「うん、そうだよー。私はラクシュで、こっちの女たらしはギーヴ。ところでおねーさんはどちらのお人?」

ギーヴさんが横で「おい、人聞きの悪い!」とか言ってるけど、無視無視。

「私は絹の国の産で、シンリァンと申す。そしてこれが…」

そう言って、シンリァンさんは胸甲と胸の隙間から何ものかを取り出した。布の塊?…いや、違う!赤ん坊だ!ちょっと、赤ん坊連れで戦ってたの!?
産着を着せられた一歳ぐらいの赤ん坊は嬉しげに母に両手を伸ばしていて、その母が愛おしげに子をあやしながら言う。

「私と万騎長ダリューンの子、シャーヤールじゃ。パルスはどうやら戦に負けたようじゃが、我が良人は殺しても死なぬ男ゆえ、生き残ってペシャワールにでも身を寄せ、再度戦いを挑むじゃろう。その際には妾も轡を並べて戦おうと思うてな。それでエクバターナを抜け出して来たのじゃが、奴らに見つかって難儀しておった。お蔭で助かったぞ」

「へえ、ダリューンさんの奥さんなんだー。前に私たちも会ったことあるよー。強くてかっこいいよねー、あの人」

「まあ朴念仁ではあるが、無双の勇者じゃの。ところで、お主らはこんなところで一体何を?」

そこでアルスラーン一行と合流しようとしてることを話すと、シンリァンさんはすぐに同行を申し出てくれた。やった!頼もしい味方、ゲットだぜ!
ほらほら、ギーヴさん、「何だ、子持ちかあ。くそお、ダリューンの奴、うまいことやりやがって…」とか言ってないでよ、みっともないなあ。

◇◇

考えてみると、アルスラーン戦記って、やたらと妻帯者の少ない物語だよなあ。原作の十六翼将の中で明らかに結婚していたのは、キシュワードとトゥースぐらいのものだったろう。事実婚の状態にあった奴ならあと数人はいたかもしれないが、それにしても少数派でありすぎる。そもそも主君が結婚しないんだから、主君を差し置いて臣下がおいそれと結婚できる訳もないけどな。

そう言えば、フゼスターンでダリューンやナルサスと別れる前に、占いと称して奴らの未来のネタばらしをしてみたが、あれを奴らはちゃん信じてくれたんだろうか。特にダリューンは星涼公主をものに出来たんだろうか。何しろ、彼女は外伝の『東方巡歴』でしか登場しない上に、あの外伝自体が導入部分のみで終わっていて未完だから、何をどうすればうまくいくかも判らないし、特に気の利いたアドバイスは出来なかったけど、どうだろうか。

…やっぱり、難しいか。あれでも彼女は絹の国の皇族だものなあ。余程のことがない限り、遠
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