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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第二部 原作開始
序章 王都炎上
第十七話 公主帯同
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論そうするともさー!」
「……」
タハミーネ王妃に恩賞を頂いた後、私とギーヴさんは早々にエクバターナを脱出した。地下水路の最短ルートは既に調べてあったしね。そして、王都近くのルシタニア兵によって滅んだ村落の一棟に身を潜め、カーラーン将軍の軍勢の動向を見守っているところなのだった。
カーラーン将軍は消息をくらましたアルスラーン一行を捕捉するため、村を焼いてみせしめにするであろう。アルスラーン一行はそれを止めようとするだろうから、カーラーン将軍の後をつければ、自然とアルスラーン一行と合流することが可能なはず。合流したら一緒にペシャワールを目指してくれ、俺たちとはペシャワールで落ち合おう。と言う事になっていたのだ。
とは言っても、二ヶ月も殿下の側を離れるなんて生まれて初めての事だ。そんなの嫌だと私は盛んにゴネたんだけど、聞き入れてもらえなかった。仕方ないから、戻ったらなにか一つ私のお願いを聞いてもらうことで手を打ったけどさ。戻ったら何をしてもらおうかな?にゅふふふふ…
その時、村落に面した街道に騎馬の一群が走ってくるような物音がした。ギーヴさんと私は即座に窓の側に身を寄せ、外の様子を伺った。すると、正確には騎馬の一群と言うより、どうやら先行する一騎をルシタニア兵十騎ほどが追いかけていると言う状況のようだった。追いかけられている騎手は異国の甲冑を纏った女の人のようだ。長い黒髪が兜にはまるで収まらずに、腰の辺りまでに流れ揺れている。でも顔は見えない。その女性は何と後ろ向きに馬に乗って疾走しているのだ。ここいら辺一帯が平地だからこそ可能な芸当だろうけど、まともな神経で出来る事ではない。そんな後ろ向きで馬を走らせて何をしているのかと言えば、弓で追手を射ているのだ。
彼女は続けざまに二本矢を放ち、二人の追跡者が永遠に追撃を中止した。だが、残りの者たちは怒声を上げながらなおも追いすがる。更に女騎士は弓をつがえようとするが、背負った弓筒にある矢は残り数本。全員を倒すには足りない。
「加勢しよ、ギーヴさん!」
「うむ、俺はいつでも美女の味方だからな!」
後ろ向きで顔も見えないのに、美女認定するのかい、ギーヴさん!
私たちは建物から飛び出して近くにつないでおいた馬に跨がり、追跡者たち目掛けて疾走を始めた。そして、女騎士とすれ違いざま、
「加勢するよ、おねーさん!」
「助太刀致しましょう、絶世の美女殿!」と
一声かけた上で矢を放った。ちょっ、今度は絶世の美女認定?私の方こそ好きにしてくれと言いたくなってくるよ…。
瞬く間に全ての騎士が射落とされ、逆乗りだったはずの騎手はいつの間にか普通に乗り直して私たちに近づいてきた。彼女が被っていた兜を脱ぐと、夜の闇を溶かしたかのような見事な黒髪が広がった。そこには
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