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人類種の天敵が一年戦争に介入しました
第7話
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に入るなら安いくらいだ。今ここで『怪物』を倒せるなら、前払いで払ったって惜しくはない。

 その彼らの覚悟が形になる。同じことは二度と出来ないだろうという損害と引き換えに、彼らは分の悪すぎる賭けに勝った。僅かな可能性を掴み取ることが出来たのは、運もあるかもしれないが、何より彼ら自身の研鑽と挺身あればこそであろう。最精鋭が全てを擲ち、命懸けどころか命を棄てて作った形勢。
 ついに謎の巨人をキルゾーンに追い込むことに成功したのである。
 どれだけ回避性能に優れていようとも、空間全体をミサイルと砲弾で埋め尽くせば避けようがない。チェックメイトである。


 だが連邦軍は負けた。現実は非情である。
 後方にいた補給部隊もその後で襲われた。三個師団相当の戦力が全て溶けた。文字通りの全滅である。
 人的損耗も恐ろしいことになった。生存者は100人に満たない。そのほとんどが瀕死或いは重傷で、生存者の数はこれからの数日で更に減る見込みだ。軽傷に見える者もただの一戦で精神を病んでしまい、日常生活に復帰出来る者は多くない。結局、軍務に復帰出来るのは僅か二名のみであった。
 これが会敵から2時間余りの出来事である。この冗談のような損害は連邦軍を震撼させ、早期反攻作戦を撤回させるに至ったのだった。以後の欧州から中央アジアにおいて、連邦軍はジオン公国軍と戦いつつも『怪物』の脅威に怯え続けることとなる。



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