第3話 魂の叫び
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けた以上、必然的にレオとリザを守るのは俺の役目だろうからな」
レオの護衛はリザの仕事である。更には猟犬部隊は誰であれ、自分の任された任務に相当な自信と誇りを持って対応し続けている。
しかしそんなリザは今の士郎のセリフに怒りなど向けずに、寧ろ心から惚れた男に守られている位置にある幸せに浸っていた。護衛をしたまま。もしかすれば嬉しさのあまりに、押し倒していた可能性すらあっただろうが。
「さて、九鬼に行く前に寄りたい所があるんだが、良いか?」
「構いません」
「俺はレオ様と士郎に付いて行くだけだしな」
「じゃあ、付いて来てくれ」
墓参りを済ませたので、此処を後にする。
正直後悔だらけで士郎だけは後ろ髪に引かれる思いではあったが。
−Interlude−
「ふぅ」
記憶喪失の女性が頭にノイズが走るなどの症状を訴えるモノだから、携帯の電波で悪くならないように念の為としてガクトは外に出てモロに電話をしていたのだ。正直女っ気は無く普段から女性に飢えているが、基本的には情に脆く根の悪い性格でもないので、これくらいの気も普通に払えるのだ。
「ただいま」
取りあえずこれから如何しようかと考えながら、飲み物を求めて台所に行くガクト。
だがそこで女神を見た。
だいぶ昔に着ていた着物を引っ張り出して着せられた美女で、その上から割烹着を羽織って台所に立っていた。
その姿に見惚れるガクト。
棒立ちのまま動けずにいると、美女の方が先に気付いた。
「あの・・・如何かしましたか?」
「え、あ、いや、って!?何でこんな処に居るんすか!安静にしてないと駄目じゃないすか、メリッサさん!」
美女の名をメリッサと呼ぶガクト。
メリッサというのは、彼女がなんとか思い出せた自分の名前の『メ・・・・・・サ』だったからで、ならばとガクトが咄嗟の勢いで思いついたメリッサと言う仮称となったのだ。
実のところ――――ガクトが選んだメリッサと言う名は、彼の特にお気に入りのAVに出て来る女優の呼称だった。故に、ガクトはあの咄嗟の判断を何れ後悔するだろう。
だがしかし、今は――――。
「麗子さんにも止められましたが、動いていないと落ち着かないんです。今は只昔の――――今の自分の事を思い出せないで家で体は元気ですから。それに暫くの間御厄介になるのですから、少しでもお役に立てないといけません」
「そ、それなら仕方ないすけど、母ちゃ――――うちの母親はどこ行きました?」
「麗子さんでしたら少し出かけました。すぐ戻るので心配ないと思いますよ?」
あの母ちゃんの心配なんてしてねぇ、それよりも。
「メリッサさん、何してるんですか?」
「見て分かりませんか?冷蔵庫
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