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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第一部 原作以前
第三章 神前決闘編
第十五話 征馬多影
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している俺の乳兄妹だった。
「ラクシュ!どうしてここに?」
「殿下、いきなり何か失礼なこと考えてないかなー?それはともかく、ギーヴさんから聞いたよー。サリーマさんに騙されてたのに、『ひどい目にあってたんじゃなくて良かったー!』とか喜んだんだってー?馬鹿なんじゃないのー?」
そして、馬に乗った人影が次々と近づいてきた。
「ラクシュ姉の言う通りだよ。そんな事だとその内悪い女に引っかかって、ケツの毛まで全部ムシられますよ、殿下?」とパリザード。
「そんな危なっかしいお人を放って置くのが忍びなくなりましたので」とレイラ。
「これだけ綺麗どころが周りにいれば、不埒な女など近づけないでしょうしね」とフィトナ。
「おで、殿下に一生ががっでも返しぎれない恩ある。だがら殿下にづいていぐ」とバハードゥル。
「この国をお暇しようと牢屋に挨拶をしにいったら、立ち聞きしちまいましてね。ついみんなに話したところ、こんな事になりまして。まあ、俺もご一緒させてもらいましょう。綺麗どころと一緒の旅は楽しいですし、殿下といれば面白いことがたくさんありそうですしな」とギーヴ。
「全く、貴方というお人はまるで理解不能ですな。貴方が一体何者なのか、これから一生かけてでも見極めたいと思います。言われたことだけは極力こなしますので、随行をお許し下さい」とジャスワント。
…全くみんなツンデレだよなあ。素直に、俺が大好きだから一生側に居たいんですと言ってくれりゃあいいのになあ。まあ、俺のモットーは
デレぬなら、デレるまで待とう、ほととぎす
だからな。これから一生かかってでもデレさせてみせるさ。そして、やるぞ!この心強い仲間たちと、パルスを、全てを救ってみせる!
「行くぜ、みんな!俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!」
「何を打ち切りマンガみたいな事言ってるんですかー、殿下!」
◇◇
ちょうど弟が、その股肱の臣たちと合流したであろう時刻に、父、カリカーラ王が息を引き取った。これから国葬を行い、即位式を経た上で、私、ガーデーヴィはこのシンドゥラの新たな国王となることだろう。
思えばあれから十年か。現代日本で生まれ育ち、高学歴ワーキングプアとしてその日暮らしを続けてきたアラフォー独身男性の私、前世の名前は覚えていない、がいきなり王子様に転生していて、前世の記憶を思い出すなんてな。王子様ってマジ?やったあ勝ち組確定だぜ!と思ったのもつかの間、私は自分がアルスラーン戦記の登場人物、ガーデーヴィ王子に転生していた事に気付いて茫然となった。原作によれば、あと十年先には自分が弟と争い敗れ死ぬ運命なんだものな。どうすればいい、どうすれば、死亡フラグを回避できる?と寝台に体を起こし、必死に考えていたところに現れたのが、この世界
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