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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第一部 原作以前
第三章 神前決闘編
第十四話 同時告白
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ょう。そうなると何が起こるでしょうね?」
え?あたしも他の三人もそこまでしか考えてなかった。でも、その先に何かが起こるって何が?
「…国王と声望を二分するようになる?或いはガーデーヴィ様が体を悪くでもされたら、嫡男を差し置いて、次の王はラジェンドラ殿下をと言う声が出るようになる?」フィトナが考え考え口にした。
「待ってよ、ガーデーヴィ様はラジェンドラ殿下と同い年だよ?そんな事ありえる?」
ラクシュ姉が首を捻っている。あのご兄弟は一ヶ月しか誕生日が離れていない。確かに本来は考えられない。
「そう言えば、ガーデーヴィ様ああ見えて白髪が割とありますわね、染めて隠してらっしゃるけど。若くして摂政として激務をこなされてるし、昔はラジェンドラ殿下に相当心労を掛けられたようですし」
そんなレイラの言葉にあたしも思い当たる節をはたと思い出した。
「ああ、あとガーデーヴィ様、夜とか頑張り過ぎだよなあ。幾らキレイな奥さんだからって、あれはヤりすぎて早死を疑う域だわ!」
…あれ、何だよ、みんなその目は?「はしたないさ…」「見すぎ…」「表現が…」「育て方を間違えた…」と言外の言葉を感じる。…ご、ごめんなさい。
「…コホン!ともかく、骨相学や占星学の視点からもガーデーヴィ様の在世はカリカーラ王よりも短く見積もられています。ですが、もしその為にラジェンドラ殿下に譲位してしまえば、ラジェンドラ様の血統に王統は移り、二度とガーデーヴィ様の血統には戻らないでしょう。また、パルスや他の国がラジェンドラ殿下に婚姻政策で自国の血を入れ、影響力を増そうとする事も考えられます。要するに、ラジェンドラ殿下の存在はこの国にとって、不安定要因なのです。端的に言えば、邪魔、という事です」
余りにも、余りにも情の無い言葉だ。確かにそれはそうかもしれないけど、乳母としての情をカケラも感じない。そんなあたしの思いは、言葉にせずともカルナ様にはお見通しだったのだろう。
「当然でしょう。私は殿下の乳母である以前に、この国に仕える、王直属の諜者の頭領なのです。情を差し挟むことなど許されません。それから、今後ラジェンドラ殿下についていくことはこの私が許しません。いいですね?」
「そんな!そんなのってないよ!殿下は頑張ってたじゃないのさ?ガーデーヴィ様とも仲良くされてて、信頼しあってたんじゃないの?なのに、邪魔だなんてヒドいさ、ヒドすぎるさー!」
ラクシュ姉が泣き崩れた。あたしたちもみな同じ思いだ。何で?何でこうなるの?どうしてうまくいかないんだろう?
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