暁 〜小説投稿サイト〜
ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第一部 原作以前
第三章 神前決闘編
第十三話 神前決闘
[1/4]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
あの後、ふと横を見ると親爺が寝具に突っ伏して失神してたので泡を食って介抱した。そしたら
兄弟で戦うなんてやめてくれ。もっと話し合え。どうしても戦うと言うなら代理人を立てるのじゃ、などと親爺が泣きついてきた。
既に話は決裂していて、相手の性根を叩き直すためにも自分の手で痛い眼をみせるしか無いこと、それに兄弟の争いに他人を巻き込むとか筋違いでしょうと諄々と諭すが全然納得してくれない。
結局、殺し合いではなく、戦意喪失か、武器を失うなどして戦闘不可能となったら決着とし、敗者は死刑などにはせず、国外退去処分とすることなどが決まりかけたが、ここで兄貴が待ったをかけた。暗器の使用を認めてほしいと言い出したのだ。
「俺の得意の獲物は槍だからな。それを奪われて即終了などという事態は避けたい。が、これ見よがしな武器を携えたり、他にはこれこれの武器を使うなどと明言したり、もしたくない。簡単に手の内をさらすのはバカのする事だ」
ちっ、もしかすると、こっちこそ手の内がバレてんのかもな。俺は以前からバハードゥル相手に剣を交え、どんな相手にも十合は持ちこたえられるよう、修練を積んできた。それだけ持ちこたえていられれば、味方の助けが間に合うだろうからな。そして、それと合わせて武器破壊技の習得にも取り組んで来た。敵の本陣に斬り込んでおいて武器を失えば、無手の人間に待っているのはなます斬りにされる末路だけだ。見逃してやるから立ち去れと告げる事も降伏させる事も出来るだろう。しかし、それがジャスワント辺りから漏れたかもな。
暗器、隠し武器というと、ナイフとかか?まあ、そんな程度しか隠し持てはしないだろう。おれは剣を使うつもりだし、間合いの点でも負ける恐れはないか。
「いいぜ、使いたきゃ使えばいい」
だが、挑発して使わない気にさせてもいいな。
「しかし、王になろうって人間が暗器ねえ。上に立つものはキレイである必要はなくとも、キレイにみせる必要はあると思うんだがなあ。まして今回は公衆の面前でもあるんだ。俺なら恥ずかしくて使う気にはなれんがなあ!」
「見解の違いだな。王は負けてはならんのだよ、どんな手を使ってもな。その覚悟を示すためにも、私は使わせてもらうぞ!」
ちっ、挑発には乗らないか。
「ああ、勝手にするがいいさ。民に失望されても知らんがな」
それでも一応チクリと刺しておく。これでいざ使おうって時に手が止まれば儲けものだしな。
◇◇
私、ガーデーヴィの槍は柄の半分ほどを残して、ラジェンドラの剣により斬り落とされた。地に落ちた穂先はすぐにラジェンドラに蹴り飛ばされ、闘技場の壁際まで転がってしまった。もはや、拾いに行くことは出来ないだろう。私の手に残ったのは、1ガズ(1m)にも満たないほどの長さ。くっ、短すぎる、
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ