Ep13 なカナいデほしいから
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だと、知って。
(私は……どう、すれば……?)
リクシアは混乱するばかり。
その時、フィオルの姿が目に入った。
「フィオル!」
あわてて駆け寄ると、少年は苦い笑みを見せた。
「油断した……」
「そんなのどうでもいいから! 傷は!? 大丈夫? 歩ける!?」
白い天使は脇腹を押えながらも、片手だけで「シャングリ=ラ」をつかみ、それを支えに立ち上がる。
リクシアは衣を引き裂いて、即席の包帯にして、そっと傷に巻きつけた。
「私じゃこれくらいしか……」
「……構わない。ありがとう。……肩、貸してくれる?」
「ええ、もちろん」
言ってリクシアは、フィオルの怪我をしてない側の肩を支えた。フィオルが手をさっと振ると、「シャングリ=ラ」は、一枚の白い羽根となって、その手に収まった。
「……便利」
思わずつぶやくと。少年は、優しくほほ笑んだのだった。
さあ、帰ろう。
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