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メイクアップ
第二章

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「それでもね」
「メイクとかお洒落に」
「やってみたら?とにかくね」
「一回でもメイクを」
「してみたら?ものは試しで」
 ゆかりはさらに話した。
「演劇部とか歌劇部のエキストラに出るとかね」
「そういうのに」
「そう、例えば舞踏会で踊る人とか」
 そうしたエキストラでというのだ。
「出たら?」
「部活だとお金もなのね」
「かかる筈ないし」
 少なくともエキストラには負担はかからないというのだ。
「メイクもしてくれてお洒落というか舞台衣装もね」
「あっちが用意してくれるから」
「そう、幾ら面倒臭そうでも難しそうでも」
 由衣がそう思っていてもというのだ。
「あっちがしてくれるから」
「いいのね」
「そう、ものは試しで演劇部か歌劇部のね」
「エキストラにでも」
「出てみたら?そこでメイクとかお洒落すればいいのよ」
 その時にというのだ。
「あんた自身は何もする必要がないし」
「それじゃあ」
「ものは試しでね」
 こう由衣に行ってだ、そうしてだった。
 由衣はゆかりの言葉を聞いて実際にだった、演劇部が今度の舞台のエキストラを募集していたのでそれに出ることにした。
 それで演劇部の部室の扉をノックして中に入りエキストラに志願しようとするとだった。
 部員の一人、背が高く派手な顔立ちと制服の着こなしの男子生徒が由衣を見て目を顰めさせて言った。
「うわ、これは」
「どうしたんですか?」
「いや、君肌白いね」
 由衣のその肌を見ての言葉だ。
「それにかなりきめ細かいよ」
「そうでしょうか」
「眼鏡をしているけれど目の形もいいし」
 今度は由衣のその目を見て言った。
「髪の毛も奇麗でね」
「そうでしょうか」
「これは一度メイクしたら」
 それでというのだ。
「一気に変わるよ」
「私がですか」
「うん、というか君ここの生徒だよね」
「普通科の二年B組の浜崎由衣です」
「ああ、普通科の娘なんだ」
「はい、そうです」
 由衣は男子生徒にあっさりとした口調で答えた。
「宜しくお願いします」
「俺は普通科の三年石田大介っていうんだ」
「石田さんですか」
「クラスはG組だよ」
 大助も自分のクラスのことを話した。
「宜しくな」
「こちらこそ」
「うん、それでね」
 大介は由衣にさらに話した。
「今からメイクするけれど」
「今からですか」
「テストでね」
 本番の前にというのだ。
「するけれどこれは」
「変になりそうですか」
「その逆だよ」
 まさにという返事だった。
「まさに逆でね」
「逆ですか」
「うん、これは凄いことになるよ」
 由衣の誰が見ても地味な顔を観つつ言った。
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