第三章
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「どうだったかな」
「独立前から色々ありましたね」
ハインリヒはマウニッツに即座に答えた。
「スペイン系ハプスブルク家との争いもあって」
「そう、そしてそこにだよ」
「あっ、そうでしたね」
ハインリヒは言われて気付いた、まさにその頃のベルギーは。
「カトリックが多くて」
「オランダの独立にはついていかなかった」
「そうでしたね」
「そして独立する以前はだ」
「オランダもベルギーも」
「どうだったか」
このこともだ、マウニッツはハインリヒに話した。
「一体」
「はい、神聖ローマ帝国の領土で」
「その中で存在していたね」
「そうでした、そしてその前は」
「ローマ帝国の中にあった」
「その一地域でしたね」
「そうだった、ライン川の西だからガリアだった」
その頃のベルギーはそう呼ばれていた地域の中にあったというのだ。
「そしてローマ帝国の中にあった」
「確かに」
「そしてフランドルと呼ばれていた時は」
「フランドル伯の領地で」
「百年戦争でも係争の地だった」
「色々ありますね」
「その通り、ベルギーもこうして見ていくとだよ」
マウニッツはハインリヒに強い声で話した。
「国としてだけでなく地域として見てみると」
「長い歴史がありますね」
「如何にも。そうしたものだよ」
こうハインリヒに言うのだった。
「我が国の歴史は」
「長いんですね」
「国としては若いかも知れないがね」
「それでもですね」
「その歴史は案外長いものだよ」
「奥州の他の国に負けていないですか」
「流石にイタリアやギリシアには負けるがね」
マウニッツはこうした国々の名前は笑って出した。
「紀元前のフランドルなんてね」
「ケルト人がいて」
「それはわかっているけれどね」
「その頃のことは」
「わかっていないからね」
人がいることは間違いなくともというのだ。
「それはね」
「そうなんですね」
「うん、けれどね」
「ガリアから考えると」
「中々深く長いものがあってね」
そうしてというのだ。
「出来事も色々とあったよ」
「そうなんですね」
「建国だけがはじまりじゃないさ」
「その地域に人がいて暮らしがあれば」
「そこに歴史があるんだよ」
まさにそれがというのだ。
「そうしたものだよ」
「成程、そういうものですか」
「そうだよ、歴史は国だけじゃないんだ」
「地域も含まれるんですね」
「私はそう考えているよ」
「そういうことですか、確かにそう考えますと」
ハインリヒは思わず膝を打った、日本語で言うとそうなった顔になってそのうえでマウニッツに対して話した。
「ベルギーの歴史も長いですね」
「そうだね」
「歴史は地域ですか」
「例えばエジプトはどうかな」
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