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逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 4
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 「やっぱり、別人なのよね」
 「にゅ?」
 「ううん。なんでもない」
 歓喜の舞いを止めて、今度は少しずつ少しずつ大切そうにお茶を口に含んでいたティーが、私を見上げて首を傾ける。
 こんな仕草もきっと、彼ならしないのでしょう。
 「貴方は貴方のままで良い、ってこと」
 「みゃ!」
 分かっているのかいないのか。目を細めて片手を上げたティーは、またお茶を飲み始める。
 私とアーレストさんは顔を見合わせ、小さく笑った。
 「私達も、冷めない内に頂きましょう」
 「そうですね」
 緑色が鮮やかな葉物野菜中心のサラダに、バターの濃い香りを放つふわふわのロールパン。根菜類とお肉を一緒にじっくり煮込んだミルク色のスープ。
 どれも私が食べたって養分にはならないけど、私が食べる前提で用意された貴重な料理だ。
 だから、刈り取られた命への敬意、作ってくれたアーレストさんへの感謝を込めて、そっと両手を合わせる。

 「「いただきます」」

 「にゃー!」
 



 と、そんな遣り取りをしていた私達の背後。
 アーレストさんに作ってもらった小箱のベッドで眠っているリースリンデが
<i8139|32367>
 酷く(うな)されていた。
 



vol.5.5 【要所翻訳 竜語→人間語】

 [漫画内]
 アーレスト「やあ、此方(こちら)にいらっしゃいましたか」
 ティー「ぬ? 何か用かの」
 アーレスト「いえ、今晩の夕飯に何かご要望があればと思いまして」
 ティー「ぬー……そうだのぅ。では、ミントのお茶が良いな」
 アーレスト「ミントですね。では、温かい物にしましょう」
 ティー「うむ。」

 [本文内]
 (前略)
 「いいえ。私が勝手に、(かたち)が違うなら人間の言語は通じないだろう、なんて上から目線で失礼な思い込みをしていたのです。申し訳ありませんでした、ティーさん」
 「なに、気にすることはない。相手に合わせて言葉を選ぶ……人間とは、昔からそういうものよ」
 (中略)
 「いえ……結果的にティーさんを侮辱したようなものですし、修行不足を痛感しました。もっと精進せねばなりません」
 「事象の受け取り方なんて、それぞれで違って当然よ。いちいち気にしてたら、切りが無い」
 (中略)
 「ねぇ、ティー。幾らアーレストさんが勧めてくれてるからって、一度にたくさん飲み過ぎるとお腹がタプタプになるわよ?」
 「問題無い」
 (中略)
 「そんな悲しそうな目で訴えてもダメ!」
 「……ならば、せめて、あと一杯……」

 [イラスト内]
 「ミントのお茶は美味しいのう」
 「それは良かった」
 「マリアも飲むにょ」

 短い返事の「にゅ」や「にょ」はドラゴンの
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