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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第一部 原作以前
第二章 対パルス使節団編
第十話 再見波斯
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ンドゥラはご両人にはさぞ暮らしにくかろうよ。わはははは」

これよりろくでもない腹芸使いがシンドゥラには居るのか?俺たちは思わずゲンナリした。

「しかし、陛下が王太子殿下に何を嫉妬すると?殿下はまだ十歳でいらっしゃるのに」

「ふふ、実はな、カイ・ホスロー王朝は代々の国王が即位直後にデマヴァント山へ赴き、宝剣ルクナバードに即位を追認してもらう儀式を行っていた。パルスの宰相や大将軍の他、周辺諸国の王も名代を出すなどして、それに立ち会っていたのだ。が、先々代ゴダルゼス二世の時を最後に他国の者は呼ばれなくなった。かの王は多くの者の前でルクナバードの追認を受け損なうと言う失態を晒したからな。そして、そこから三代続けてパルスの王はルクナバードに認められずにきた」

「…ば、馬鹿な、そんな事が…」

他国の者は呼ばれなくなっても成り行きを注視し、極秘裏に情報を掴んでいたということか。特にバダフシャーン公国滅亡後、パルスと国境を接することになったシンドゥラは他国よりはるかに必死に情報を集めようとしたことだろう。

「そして、アルスラーン殿は五歳にして王太子として冊立されたが、それはその歳にしてルクナバードに未来の王にふさわしいと認められたからだ。アルスラーン殿はパルス王家にとって、失ってはならない存在となった。だが、アンドラゴラス王にとっては面白くはあるまい。自分は認められなかったのに、何故あやつが認められるのだと。かくして、王はなるべく王子を視界に入れまいとするようになった」

だから、殿下を王宮の外で乳母夫婦に育てさせることとしたというのか。

「まあ、アンドラゴラス王の態度には他にも理由はあるが、まだお主らが知るべきでは無いことだ。だが、ここまで知ってしまえばアンドラゴラス王に心からの忠誠は誓えまい。そして腹芸の下手なお主らのこと、言動の端々にそれが現れ、更に疎まれる事になろうな。ふふ、離間策、ここに完成、と言ったところだな」

「なっ!?」

馬鹿な、俺たちは嵌められたと言うのか!

俺たちの表情を見て、くつくつとラジェンドラ王子は嗤った。俺はその背中に悪魔の尻尾を幻視したような気がした。

「だが、あれだな。これでお前たちが不幸のズンドコに落ちたりしたら目覚めが悪いな。よし、俺が得意のシンドゥラ占星術で、お前たちの人生の指針を占ってやろう。まずはダリューン、お主はヒルメス殿下と同年の293年、○月×日生まれだったな」

「…ああ、その通りだが」

何故そこでヒルメス殿下を引き合いに出す…

「お主はここ数年は誰かに害される事はあるまい。お主は人界における最強の勇者だしな。だが、人外の者に対してはいささか分が悪い。そのような者と対峙した場合は他人の手を借りるか任せるかした方がいいだろう。なお、お主の運命
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