第二章
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「どうしてもわからないの」
「ああ、そのことか」
「どうして人間になったのか」
「そのことについてか」
「うん、どうしてかな」
自分の仲間達にも尋ねた。
「一体」
「どうしてだろうな」
「それはな」
「わし等にもわからないんだよ」
「どうしてもな」
彼等もわからないといった返事だった。
「それはな」
「どうしてなんだろうな」
「ハナはどうして人間になったんだろうな」
「わからないな」
「このことが気になってるの」
また言うハナだった。
「今ね」
「それな」
「本当に不思議だよな」
「急に人間になってな」
「それで暮らしているなんて」
「不思議なことだよ」
「誰がどうして私を人間にしてくれたのか」
ほわんとした感じだが考えている顔だった。
「わからないよね」
「全くだな」
「誰がどうしてハナを人間にしたのか」
「それがな」
「本当にわからないな」
「そうだよね」
ハナも仲間達もこのことがどうしてもわからなかった、だが彼等は元々のどかでくよくよ悩むタイプでもないので。
このことはあまり考えていなかった、しかし高天原においては。
そのハナを見てだ、神々が話していた。
「うむ、今日もな」
「あの娘は幸せに過ごしているな」
「のどかに」
「そうしているな」
「いいことだ」
こうしたことを話していた。
「まことにな」
「あのまま暮らしていけば」
「やがて力に目覚める」
「そうなるからな」
「だからだ」
「あの娘を人間にしたが」
「本来は性別がないがな」
カタツムリだからだ、カタツムリは雌雄同体でありハナにしても女性の外見だが実は性別が存在していないのだ。しかし人間としての心は女性である。
「そこは置いておいてだ」
「やがて神になってもらおう」
「カタツムリの神に」
「だから人間にしたが」
「それは正解の様だな」
ハナの穏やかな性格を見ての言葉だ。
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