第3章 リーザス陥落
第110話 魔王の元へ
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える男。
そんなランスが先頭に立つ事こそ珍しい。これ以上ユーリを目立たせてたまるか、と言う気持ちも恐らく持ち合わせているだろうが、それより思うのが 隣に立っていても何ら違和感がない所だ。
認める、認めないは兎も角として、明らかに、その実力、実績共に 2人には圧倒的に劣るだろう。寧ろリックや清十郎こそが相応しいと言える。
だが それでも、最後の敵を前に、先頭に立つ資格を持つのは……。
「英雄の資質……ってヤツだよね。志津香」
「何馬鹿な事言ってんのよ。……2人は兎も角、アイツは違うでしょ」
「ううん。……志津香も判ってるでしょ? 認めたくないって思うけどね。だってユーリさんと同列、なんて思いたくないって思うでしょ? でも、こんな場面でも自分を貫くって普通は出来ないよ。……あんなのを見て、接して、感じた後にも前に立つ。そんな事出来るなんて、ね」
「………」
3人の後ろ姿を見た志津香とマリア。
その背に感じたオーラの様なものを、言葉に表すと マリアには『英雄』と言う言葉が最も当てはまった。
確かに、言動や行動理念は全く当てはまらないかもしれない。でも、これは理屈じゃない。持って生まれた才能……とでもいうべきだろうか。それに英雄は1人とは限らない。其々の国にいても良いだろう。
「なんだ? 最後の最後でやる気を見せたか、ランス」
「ランス様……」
ユーリは物珍しそうに、それでいてどこか安堵したかの様にランスに言った。
そのランスの一歩後ろで心配そうに見ているのはシィルだ。ランスは、シィルをぐいっ、と抱き寄せるとカオスを肩に担ぎ、言った。
「ふん! もうこの戦争はオレ様の勝ちは決まっておる。……その次いでに魔王退治をさくっと終わらせるだけだ。これで仕上げだ!」
「ランス様……。っ は、はいっ!」
「……はっ。最初からそのやる気を出してれば、もっと早く終わってたかもしれんのに、遅すぎだ、馬鹿」
「馬鹿とは何だ! 下僕が!! それに、オレ様の手足の如く働くのが下僕の務めだろうが。……今回は特別サービスだ。最初からオレ様も戦ってやる」
魔剣カオスの握る手に力が込められているのが判る。
自覚をしているのだろうか、或いは無意識なのだろうか。カオスを手にする事が出来るのは、歴代でも数知れず。握れて使える時点で偉業だ。
「おやおや…… ほんっと珍しくやる気だね。魔剣を握ると自覚が出るのかな? 魔王退治って」
「ふん。世の中にはまだ見ぬ美女が山ほどいるのだ。それをぶちこわしにされてたまるか。ついでに、魔王にはお仕置きセックス100連発の刑だ。それで世界平和達成、前代未聞、空前絶後、超最強大英雄ランス様の誕生だ」
ミリとの話に いつもの八重歯を見せながら宣言するランス。魔王
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