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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第57話
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巨大な質量の機体が動いていること自体がおかしいのよね。あのゴライアスを超えるサイズなのに2本足で立っていたみたいだし。」

「ああ……シュミット博士も似たような事を言っていたな。タワーに現れた神機はスリムだったがそれでも騎神を遥かに上回る大きさだ。そして―――飛び去るスピードはヴァリマールを超えていたと思う。」

「……まさか騎神を超える人型がエレボニアの外で造られてたなんてね。」

「でも……神機を造った”結社”も当初は使いこなせなかったそうです。人が再現した”女神の至宝”でようやく動かせていたそうですが……」

「かつて”零の御子”と呼ばれた”特務支援課”が保護していた女の子か。フランさんからも聞いたが、その力はとっくの昔に失われてるんだろう?」

「マキアスはフランと会った事があるのか………ああ、それについては俺やロイド達も自分の目で確認しているから今のキーアに”零の御子”の力がほとんど失われている事は断言できる。」

「残っている僅かな力も、少なくても”神機”のような凄まじい存在を動かせる事ができる力は全く残っていない事は”空の女神”であるエイドス様も断言しましたわ」

「ですが、あの”紫の機体”は昨夜、当然のように動いていましたが……そして、あの火焔魔人――――”劫炎”の言葉………」

昨夜の出来事を思い返したエリゼはリィン達と共にマクバーンの言葉を思い返していた。



ま、”至宝”の力がねぇから中途半端に動かせねぇけどな。もう少ししたら色々と愉しませてやれると思うぜ?



「……あれ、気になるわね。少なくとも”至宝”が無い状態で機能が制限されていながら……何らかの条件が整ったら至宝無しでも機能が使えるようになるって事よね?」

「ええ……”至宝”とは”女神の力”。それに代わる”何か”というのは正直、想像もつきませんが………―――ですが大前提として、あの神機が、大量の”霊力(マナ)”を使っているのは確かだと思うんです。」

「ああ、それは感じたわ。」

「霊力―――霊子エネルギーね。」

「僕達が普段使っている導力とどういった違いがあるものなんだ?」

「私の知る限り……導力はオーブメントによって精製されたより使いやすい”霊力”みたいですね。オーブメント機能は謎が多くて、詳しい事は私にはわかりませんが……」

「まあ、誰にでも魔術と同等の”力”が使えるようになる時点で、色々と謎が多いわよねぇ。」

「そうですね………我々の世界にも魔術の心得がない者達でも作動させることができる”魔導具”は存在しますが、戦術オーブメントのような魔導具は存在しませんね。」

エマの意見にそれぞれ同意したエルファティシアは苦笑し、セシリアは考え込みながら呟いた。



「うー
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