彼と彼女の出会い 前編
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のか顎に手を当てて自販機を眺めていた。
奏輝は自然と右側の自販機の前に足を運ぶ。財布を開いて金を投入。目に入ったペットボトルのコーヒーのボタンを押す。ガコンと音がして取り出し口からコーヒーを取り出す。
立ち上がって戻ろうとするとふと右下に視線が行く。そこは小型の電子掲示板が取り付けられていて同じ数字が4つ並んでいた。
「当たりですか。運がいいですね」
奏輝は特に考えずに先程買ったものと同じコーヒーを選んだ。
「──はぁ……」
また、取り出し口からコーヒーを取ろうとしたところで、不意に左側から聞こえてきた声に奏輝は反応する。見ると、少女が取り出し口を開けたままため息をついていた。次に少女は金返却用のレバーを押すも、自販機は金を吐かない。横目で見ているため、顔は視認できない。
「仕方ないわね……」
少女は困ったような、諦めたような顔をして立ち上がる。
「あの────」
奏輝は何故かその少女を無視することが出来ず、咄嗟に声をかけた。
──────────────
桐凪幸奈という少女を一言で表現するのならどの言葉が適切だろうか。容姿端麗、才色兼備、花顔雪頬──恐らく女性を褒める言葉なら何でも似合うだろうが実際の所は違う。『不運』それが桐凪幸奈という少女を表すのに相応しい言葉だ。
その日、幸奈は何とも言えない違和感に襲われていた。普段ならば当たっても70%程の命中率、それに加えて「ダメだ」と思ったときは決まって外れていた。しかし、その日はどうだろうか。命中率100%、しかも何れもが中央に刺さっていた。
首を傾げながらも、その感覚を忘れないようにして幸奈はその場を後にした。何処からか、優しい温もりのある視線を感じながら。
幸奈は待機場所に戻ると飲み物を買いにいこうとして財布を開ける。中には150円と5000円札しか無く、幸奈は150円だけを握って自動販売機のある場所へと向かった。
金を入れる前に幸奈は自販機を見て少し考える。特に好きな飲み物も無いが、水やお茶という気分ではなない。顎に手を当てながら品を見ていると、右側に少し身長の高い少年が来た。少年はスムーズに金を投入、迷うこと無く右上のボタンを押した。
何気無くそれを見た幸奈は自分の買う飲み物を決めて金を投入、少年が買ったものと同じコーヒーを選ぶ。
しゃがんで、取り出そうとしてもコーヒーはソコには無かった。
「はぁ……」
一つ、ため息を着いて幸奈は金返却のレバーを下げる。しかし自販機は150円を飲み込んだまま、何も動作を起こさない。
──今日はいつもより運が良かったから大丈夫かと思っていたけど、やっぱり私は不運ね。
「仕方ないわね……」
金は1本分しか持ってきていなかった為、幸奈は諦
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