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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第一部 原作以前
第二章 対パルス使節団編
第八話 陰険漫才
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んだ。

◇◇

私、アルスラーンは失敗した、と思わずにはいられなかった。陛下は謁見の間にいらっしゃいますが今は誰も通すなとの仰せでしたと、それしか廷臣たちは言わないものだからこの場に踏み込んでしまったけど、外国の使者が相手だなんて思いもしなかった。父が怒るのも尤もだ。恥ずかしい真似をしてしまった。今回はお詫びして立ち去るしか…、え、引き止められた?この人は一体?肌の色からして、シンドゥラの方みたいだけど…。

「アルスラーン殿下、出ていく必要はございませんぞ。もう当方の用件は終ったも同然ゆえ。それにアンドラゴラス陛下、その様に頭ごなしなのは教育上よろしくありませんな。とある国には『因果応報』という言葉もございます。親子の間でまた悪しき因果が巡らぬよう、感情を廃して冷静に話を聞いてはいかがか?」

その言葉は更に父を怒らせたようだけど、父は数字を十まで数えて何とか怒りを堪えたようだ。大人でも、父上でもこういう事をしたりするのか…。

無言だけど手振りで促されたので、私は、用件を話すことにした。

私が生まれた際に私の名で建立費が寄進されて建てられたミスラ寺院で、もうすぐ王都に送る若い神官三名が選ばれる時期なのだという。だが、もうここ何年も貴族出身の者ばかりが選ばれている。もしも不正がそこにある為なのだとしたら、王太子殿下の名を辱めるようなものだと都中で噂になっている。そのような事が無いように、今回は私も寺院に出向き、選定を見届けたいと。

父は今回も反対のようだったけれど、そこに居合わせたそのシンドゥラの方(後でラジェンドラ王子だと知った)が言葉巧みに言いくるめてくれた。しかも、護衛として去年の戦でトゥラーンの王弟を討ち取った勇者ダリューン、お目付け役として三カ国同盟を内部崩壊に導く計略を立てた智者ナルサスをつけ、シンドゥラ使節団も同行してくれる事になった。何でそこまでしれくれるのか判らないけれど、感謝しても感謝しきれない思いでいっぱいだ。

◇◇

こうして俺たち一行は、パルスの面々を加え、フゼスターンのミスラ寺院を訪れたのだった。

が、そこで俺が見たのは原作とはかけ離れた姿のファランギースだった。

え?何これ、マジ?マジでこれ、ファランギース本人なの?
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