Ep11 取り戻した絆
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だから。
「お願い……私と……また、仲間になって……!」
「前置きせずにそう言え」
アーヴェイが、微笑んでいた。
「いいだろう。武器を奪われて、戦力が不足していたところなんだ。お前を仲間として、受け入れる」
「僕も忘れないでね」
「了解だ、フェロン」
ただし、と彼は、いたずらっぽく笑った。
「足手まといにだけは、なるなよ」
「――――はいっ!」
リクシアは、強くうなずいた。
また、彼らと一緒に旅ができることが心から嬉しかった。わだかまりもなく、話せることが。
あの日。あの、別れの日以来。心にくすぶっていた黒い後悔。それが今、溶けだして。春の清流となって心を下っていく。
――よかった。
ほっとして微笑めば、落ちてきた瞼。
「リア!? 」
驚いたようなフェロンの声。今度はそれに、しっかりと返す。
「疲れたの。今度はちゃんと、起きるから、さ……。あとでご飯、持ってきて?」
今はちょっと眠たいだけ。大丈夫、すぐに起きるからと彼女は安心させるように言った。
「……つくづく、兄さんもお人よしだよねぇ」
「困っている人をほっとけないだけだ」
「それをお人よしというんだよ!?」
コントみたいな掛け合いを聞きながらも、リクシアは微笑みながら眠りに落ちる。
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