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駄目な後輩に
第一章

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                駄目な後輩に
 深江橋みなみは最近毎朝校門である一年の女子生徒に注意している、その女子生徒の格好に対してだ。
 ネクタイの締め方はいい加減、髪の毛は金髪に赤や青のメッシュを入れて派手なメイクにネイルアート、アクセサリーは幾つも付けていてだ。
 制服のスカートは極端に短い、その一年生にいつも言うのだった。
「貴女、本当にね」
「ファッションがですか?」
「何、今日もって」
「あっ、ちゃんとなおしてきましたよ」 
 一年生はみなみに笑って返した。
「昨日言われたところは」
「何処がよ」
「ほら、ブラウスちゃんとです」
 制服のそのブラウスを指し示して言うおだった。
「学校指定のにしてきました」
「それだけじゃない」
 みなみは一年生に目を顰めさせて返した。
「その他はどうなの?」
「駄目ですか」
「ブラウス以外はね」
 それこそというのだ。
「全部駄目じゃない」
「だからですか」
「今日も言うわよ」
「先輩厳しいっすね、あたしこれでもですよ」
「無遅刻無欠席でなのね」
「はい、授業もさぼらないし寝ないですし」
 そうしたことはしっかりしているというのだ。
「煙草もお酒もドラッグもしてないっすよ」
「それは普通よ」
 みなみは一年生に怒って返した。
「あといじめとかもよね」
「万引きとかカツアゲもしてないっす」
「それで部活にも出てっていうのね」
「はい、テニスに汗を流してるっす」
 部活の方もさぼっていない。
「赤点も取らないしいいじゃないっすか」
「服装が駄目なの」
 みなみが言うのはそこだった。
「校則違反の塊じゃない」
「これあたしのファッションっすよ」
「それが全部校則違反だからよ」
「言うっすか」
「そうよ、ブラウス以外は全部駄目よ」
「ニーハイもブーツもなおしたっすよ」
「その他もよ」
「髪型とかメイクとかっすか」
 自分ではわかっている返事だった。
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