第1部
アリアハン〜誘いの洞窟
洞窟にいざなわれて
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い。むしろ元気になった気がする。
「だからお前はレベル1なんだ。こいつがなければ、今頃お前瀕死状態だったんだぞ」
いつの間に近くに来たのか、ユウリは自分の荷物から袋を取り出し、そこから雑草みたいなのを取り出した。
「何? その雑草みたいなの」
ユウリは呆れ返った目で私を見た。
「お前、そんなんでよくアリアハンまで来たな。これは雑草じゃなくて『毒消し草』だ」
「毒ぅ!?」
「ミオちん、毒受けてたんだって!! ユウリちゃんがミオちん見たとき、すぐそうだとわかったんだって!!」
なんでも、私が戦った緑色の物体はバブルスライムといって、体内に毒をもっており、おそらく体当たりを受けた際に、毒も一緒に受けてしまったらしい。
そのころ、ユウリとシーラは、地下に降りる別のルートを探し回っていた。そしてやっと下に下りる階段を見つけて降りたんだけど、意外とこのフロアはだだっ広くて、明かりもないから真っ暗で何も見えない。しばらく立ち尽くしてると、二人を呼ぶナギの声が聞こえてきて、そこで合流。そしてナギの膝の上で寝ている私を見て、ユウリがたまたま持っていた毒消し草で私を治してくれたらしい。
「も〜〜〜っ、なかなか目ぇ覚まさなかったからすっごい心配したよ〜〜!!」
シーラは泣きながら、私の首にしがみついた。私もシーラの背中に手を回して、お互い抱きしめあった。
「ごめんね、シーラ。私、みんなに迷惑かけちゃったみたい」
「ふん。足手まといのくせに、勝手な行動とるからだ」
普段はいやみにしか聞こえないユウリの言葉も、今回ばかりは全く気にならない。なんだかんだいって、私の毒を取ってくれたんだもの。
「ごめんね、勝手な行動ばっかりとっちゃって。ありがとう、ユウリ」
私は笑顔でお礼を言った。ユウリは別に何か言うわけでもなく、ただ眉を吊り上げただけだった。
「ちょい待て。オレには礼を言わないのか? オレだって地味〜にあんたの枕代わりになってたんだぜ?」
「あ、ごめんごめん。ナギもありがとね」
「ちぇ、なんかすっげーついでみたいな扱いに聞こえるんだけど」
そういってナギは、すっと立ち上がり、私の手をとって立たせてくれた。
ナギって結構、やさしいんだな。それにすごく強いし。
それに比べて私は、たった2匹の魔物相手に、こんなにみんなに心配されるなんて。
私は変な疎外感を感じながらも、今は先に進むことだけを考えなきゃと自分に言い聞かせ、歩を進めた。
「これが旅の扉……」
4人になってからも魔物の襲撃はたびたび続いたが、レベル30のユウリが加わったパーティーにかなう魔物などいるはずもなく、一行は、旅の扉のある祠へと難なくたどり着くことが出来た。
旅の扉は、人一人は入れるぐらいの大きさの水溜りが渦を巻いているような、なんとも
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