第1部
アリアハン〜誘いの洞窟
洞窟にいざなわれて
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のかな・・・?」
と同時に、もう一匹の緑色が後ろから、私の左肩めがけて体当たりをかけてきた。
「っ!!」
当たったとたん、ぴりっとした小さな痛みを感じたが、とりあえず動けるので気にせず身体をひねり、肩に張り付いていた緑色を振り落とした。
緑色が宙に浮いたのを見計らって、私はひねった身体の反動を使い、左足で思い切りそれを蹴飛ばした。
これもまた、一匹目と同じように、泡のように消えていった。
「あと、残るは……」
ふと横を見ると、すでにナギはカエルを倒した後らしく、落ちていたナイフを取ろうとしている最中だった。
「あ、なんだ。そっちはもう倒しちまったのか」
少し残念そうな顔で言うナギ。余裕だったらしく、ナギ自身全く怪我はしていない様子。それを見て、私はほっとした。
「なーんだ。ナギって意外に強かったんだね。一人で3匹相手に無傷だなんて、私要らない心配してたよ」
「んー、子供のころタリオと、取っ組み合いのけんかとか、チャンバラとかやってたからな。あいつに比べると、ぜんぜん弱いぜ、この魔物ら」
取っ組み合いのけんかとか、チャンバラって……。そんなレベルの動きじゃなかったんですけど……。タリオさんっていったい何者?
「そーいうミオこそ、怪我しなかったか?」
「あー、ちょっとやられたけど、たいしたことないよ。なんかへばりついただけだったし、それ……に…………」
急に、めまいがしてきた。
それに、胸がむかむかして、吐きたいぐらいに気持ち悪い。
「お、おい!! どうしたんだよ!!」
「な……なんか急に、めまいが……」
どんどん頭がくらくらしてきて、ついには意識を失ってしまった。
「…………ん、…………ミオちん!!」
シーラの呼ぶ声に、私ははっと目を覚ました。
あれ? シーラ……? なんでここに……?
「やっと目を覚ましたか。鈍足」
目を泳がせると、心配そうにこちらを見つめるシーラと、その横で不機嫌な顔して立っているユウリがいた。
「なあ。こいつまだ顔色悪いけど、大丈夫なのか?」
なぜかナギの声だけ間近に聞こえる。見上げると、ナギののど仏がすぐ目の前にあった。
「うぇえ!!??」
私はあわてて身を起こした。ナギはあぐらをかいたまま、ぽりぽりと頬を掻いている。
「あれ? めちゃめちゃ元気じゃん」
あろうことか私は、ナギの膝の上で横になっていたのだ。しかもどうしてそうなったのか、全く覚えてない。
「なな、なんで私こんなところで寝てたの!?」
「何言ってんだよ。あんた、ここで魔物を倒した後すげー顔色悪くなって、倒れたんじゃねーか」
「倒れた……?」
そーいえば、意識がなくなる前、めまいがして気持ちが悪くて、頭がぐるぐるしてた気がする。
でも今は、ぜんぜんそんな気分じゃな
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