第1部
アリアハン〜誘いの洞窟
洞窟にいざなわれて
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言うとナギとどっこいどっこいなんだけど。
もしこのまま一人にして、もし運悪く魔物に襲われたりしたら……って思ったら、気がついたときにはもう穴の中に飛び込んでしまっていた。
「ミオちん!!」
シーラの声が聞こえた。でも、振り向く間もなく、私は地下の地面に降り立っていた。
こう見えても、着地だけは得意なのである。昔、木登りの修行でよく落ちていた成果の賜物なんだけど。
「ナギ!!」
私は大声で叫んだ。すると意外とすぐ近くに、私の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
「おーい、ミオ!! こっちだ、助けてくれ〜!」
助けてくれ、と言う割には、ずいぶんのんきな声である。魔物でもいたんだろうか?
「いったいどうし……うわぁっ!!」
目の前にいたのは、耳の大きい、角の生えたウサギが2匹と、大きな目をぎょろつかせた大きなカエルが1匹。その後ろにはやっと追いついたのか、緑色の半固体状の生物が2匹そろってやってきた。
「ま、魔物じゃん!! しかもこんなにいっぱい!!」
この大陸でははじめて見る魔物ばかりだったので、私は恐怖と驚きで半泣きになっていた。
「え、これ、魔物なの? オレが思っていたのとちょっと違ってたから、誰かが放したペットなのかと思った」
「こんなところでペットを放し飼いにするわけないでしょ!!??」
ナギの信じられないボケに、私はいてもたってもいられずツッコミを入れた。
「じゃあ、倒すしかないんだな?」
「そりゃ、そうだよ!!」
うああ、いつまでもそんなやり取りしてる場合じゃないでしょーが!
私はそう叫びたかったが、それを言う前にナギが魔物の前に飛び出した。
「ナギ!!」
だが、私の予想とは裏腹に、ナギは、手にしたブロンズナイフでウサギの角を横一閃してまっぷたつにした。
え、うそお!
な、なんで魔物の姿も知らない人が、こんなに強いの!!??
私が心の中で驚いている間に、ナギはもう一匹のウサギを下から上に切りつけ、さらに切り返し、最初に角を折ったウサギを再び横に薙いだ。
2匹のウサギは声を上げることなく、闇に溶けていった。
「ミオ!! 後ろ!!」
ふと我に返って、振り向かずにそのまま右へ跳んだ。すると、べちゃあっ、とトマトを壁にたたきつけたような音とともに、緑色の物体が上から落ちてきた。
「き、気持ち悪……」
なんてつぶやいてる場合じゃない。私は気持ちを入れ替え、つぶれたトマトのようになっている緑色の物体に向かって拳をたたきいれた。
いかんせん、感触がトマト状……っていうか半固体状なので、手ごたえがあったのかよくわからない。とりあえずもう一匹の緑色の攻撃をよけながら、再び同じやつに攻撃を入れてみた。
すると、こんどはぶくぶくと音を立て、やがて泡のように消えていった。
「倒せた、
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