第1部
アリアハン〜誘いの洞窟
洞窟にいざなわれて
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「お、お前さんがた、いったいどこから入ってきたんじゃ!!??」
ナジミの塔に住んでいるおじいさんから盗賊の鍵を受け取ったユウリと私たちは、そのおじいさんから(無理やり)託された孫のナギを仲間に加え、再びレーベの村に戻ることになった。
そして一行は、村で唯一鍵のかかった扉がある家へと向かった。一応確かめてみたけれど、やはり鍵はかかったまま。
ユウリは何も言わずに盗賊の鍵を使って扉を開け、遠慮なく家の中に入っていった。
「なあ、あいつって、本当に勇者なのか?」
新メンバーのナギが、真剣なまなざしで私に質問してくる。
「うん、たぶん……。時々私も疑問に思うときはあるけど……」
私は自信なさげに答えた。
「あたしはユウリちゃんは勇者だって信じてるよ♪」
「え!? シーラ、ホント!?」
「うん♪ だってあたしの酒代おごってくれるって約束したもんvvv」
一瞬でもシーラを見直した私が馬鹿だったかも……。
そんな私たちをよそに、ユウリは1階には誰もいないとわかったのか、今度は2階に上がっていった。私たちもなんとなく後に続く。
2階には大きな鍋が目の前に置かれており、奇妙な色をした液体をかき回している一人の老人がいた。どうみても怪しい老人が怪しい薬を作っているようにしか見えない。
普通の人なら声をかけるだけでもためらいそうなのだが、勇者のユウリはまったく意に介さない様子で、その怪しげな老人に話しかけた。
「おい、ジジイ。あんたが『魔法の玉』を作ったって言う人物か?」
すると、なべの中をかき混ぜていたおじいさんはびっくりして、手にしていた棒をなべに落としてしまった。それが冒頭の出来事である。
「俺は勇者のユウリだ。魔王を倒すため旅をしている。それにはあんたの作った魔法の玉が必要だ。異存がなければ俺によこせ」
「異存ありまくりだろ、その言い方」
ナギが間髪いれず口を挟む。
「ふむ。おぬし、勇者じゃったか」
おじいさんは、最初こそ驚いていたが、人生経験の差なのか、すでにユウリの対応に順応している。
「まあ、わしの部屋に入ってこられるならば、そこそこの腕の持ち主なんじゃろう。ほれ、ほしけりゃくれてやるわい」
といって、おじいさんはあっさりと魔法の玉をくれた。
「ずいぶんあっさりとくれるんだな。それ、大事なもんじゃないのか?」
ナギがおじいさんに尋ねる。
「たしかにその『魔法の玉』はわしの研究の最高傑作じゃ。じゃが、つい数日前にそいつの大量生産に成功してな。同じ威力の玉などいくつでも作れるのじゃよ」
そういっておじいさんは、ユウリにあげたものと同じ形の魔法の玉を、どこからともなく出した。
「すごーい、おじーちゃん頭いいんだねー♪」
「ふむふむ。次はバニーガールの研究でもしようかの」
「ただのス
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