暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 3
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うに拗れるわよ。主に、エルーラン殿下が」
「そう……、なんですか?」

 ()けそうになって崩れかけた姿勢を正しつつ、必死に冷静を装う。

 フィレスさんとの会話は、絶対に聴こえてなかった筈なのに。
 何故、私が原因だとバレた……

「三十代の童貞に遅れてきた初恋なんて、余計な茶々を入れた分だけ悲惨な結末を迎えるものよ。三十歳の大台に足を伸ばしかけているクロスツェルが良い例でしょう? 娘として面白くないと感じるのは解らなくもないけど、当分の間は生温かく見守ってあげなさい」
「たった今。無性にお父様を応援したくなりました」
「でしょう?」
「ええ。後で精一杯、最初から最後まで懇切丁寧に説明しておきます」
「それが良いと思うわ」
「はい」

 従兄妹から娘へと、恋愛事情と経験値をさらっとぶちまけられてしまったお父様が不憫すぎて。
 身内がどこかに攫われてしまいそうだと鬱屈した気分は一掃されました。

 哀れ、お父様。



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