第51話 行動開始
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「なるほど、しかし彼が一番邪魔に思っているのがアリシア女王陛下だとしたら彼はどうしたいと思う?」
「まさかこの国の王になろうとしていると言いたいんですか?そんなことは不可能です、リシャール大佐がどれだけ優秀でも王族の血をひいていない彼では王にはなれません」
「だが彼はデュナン侯爵を繋がっている可能性がある、それは君たちも考えたんじゃないのかい?」
「デュナンをトップにして陰から操ろうとしている……これならリシャールがこの国を思うがままに操るとこも出来なくはないね」
オリビエさんの言葉に俺はまさかと思ったがデュナン侯爵の名を言われてその可能性がありえないものではなくなった事に気が付いた。
実際に彼は王になりたがっていたし武術大会の時もリシャール大佐を傍に置いている事からあの時点で彼らにはかなり深いつながりがあると予想していた、だからフィーの言った事が現実に起きてもおかしくはない。
前に憶測でそう言ったが、これは現実味が帯びてきたな……
「でもオリビエさん、仮にそれが実際に行われたとしても結局は彼がこの国の支配者になりたいってことくらいしか思い浮かばないですよ」
「なら僕からリシャール大佐という人物について知っていることを話そうじゃないか、そこから彼の思想を考えてみてほしい」
「そういう事は最初に言ってくださいよ……」
オリビエさんはリシャール大佐についてある程度は調べていたらしくもったいぶった様に話し出した。
「リシャール大佐は元軍人であったカシウス殿の部下でもあった男だ、当時カシウス殿が率いていた独立機動部隊に配属されたリシャール大佐はかの百日戦役もカシウス殿の部下として共に戦ったそうだ」
「リシャール大佐がカシウスさんの?」
「ああ、調べた話では公私共に世話になったそうでリシャール大佐はカシウス殿を強く慕っていたそうだ。最早信仰していると言ってもいいくらいカシウス殿に共感しているらしい」
俺はそれを聞いてリシャール大佐という人物がどういう人なのか分からなくなってきた。
今までは権力などを目的にして動いていたのかと思っていた、だがカシウスさんの教えを受けたというリシャール大佐がそんな俗物な人物だと思えなくなったからだ。
「話を続けようか、リシャール大佐はカシウス殿が軍を退役された頃から軍事力の強化を提案していたらしい。だがこの国の女王であるアリシア女王陛下はその意見を中々受け取ろうとしなかった」
「意見の食い違いでもあったの?」
「アリシア女王陛下はどちらかと言えば他国との協調や交流といった外交を大事にされていた方だからね、リシャール大佐がこの国を思ってそう言っているとはいえ直には受けいられなかったんじゃないかな」
まあそれは仕方ない事だろう、リ
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