十一章『期待』
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上空、飛行船
「そうえば勇次郎さ〜ん、さっきから気になってるんだけど〜」
プルルートが弓の手入れをしながら話しかける。一方勇次郎はじっとしているのだが・・・
「どうしてず〜っとこっちを見てるの〜?」
「その弓のことだ」
「?これのこと?」
「ナルガクルガの弓だな。いい出来だ」
「うん、この弓はりょうくんと一緒に狩りに言って造ったんだ〜。ナルガクルガってすごく速くて狙いが定まらないんだよね〜」
「大した少女だ。アイツと一緒にとはいえよくヤツに立ち向かったものだ」
良之助の方を見ながら笑う勇次郎、彼は今船の先端におり景色を眺めていた。
その顔は少し険しく、何かに心配している様子だが恐らく勇次郎のことだろう。
「それとだがプルルート、その防具もなかなかいいものじゃないか」
「この防具?うん!この防具は私が全部一人だけで集めたの〜」
「ほぉ・・・!」
プルルートの防具は《アシラS装備》、頭は可愛らしい頭巾のようで上腕、太ももが露出しており穿いているものもミニスカートなため一見キュートな印象を受ける。
しかし前腕、下腿(膝より下から足首の上までの部位)はアオアシラの特に硬い部位、前足にある甲殻を用いて造られている。他にも腰巻き、胴、そして頭巾にはアオアシラの背にもある甲殻を用いて造られており、充分な防御力が伝わってくる。
そして彼女がつけている防具はS装備、すなわち《上位》のアオアシラの素材だ。
下位の時点で多様なモンスター、リオレウスも例外ではなく幅広い危険度の狩りを行うことが出来る。
しかし下位に出てくる個体は上位に出てくる個体とは比較的差があり、同じモンスターでも質が余りにも違うほどだ。
どれくらいかと言うと、下位の空の王者《リオレウス》の防具は素でも高い防御力がある。しかし、案外そこら辺にいるような(表現としておかしいが)モンスター、アオアシラは上位個体の場合下位リオレウスの防具を上回る防御力を誇っているのだ。
科学界で例えれば、『都会にある有名な不良学校の番長より、田舎にある無名の普通学校にいるちょいワル学生のほうが強い』といえば分かりやすいだろうか・・・
とにかく、前回受付嬢が説明(七章参照)したように上位は選ばれたものが入れる領域。つまりプルルートは見た目には余りにも似合わない狩りの実力を持っているのだ。
「あ〜、今気になったんだけど、勇次郎さんてハンターランクってどれくらいなの〜?」
ハンターランクはその狩人の実力を示すものの一つ、高いほど本人の実力が高く、また危険度の高い狩りに出ることができる。
「昨日正式にハンターになったばかりだ」
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