第三章
[8]前話
そしてだ、魔達に対してだ。
龍子は一旦空に舞い上がって全身に蒼い雷を宿らせてその雷を巨大な球にさせてそうして魔達に放った。妹もだった。
その全身に紅蓮の炎を宿らせた、燃え上がる炎を魔達に向けて放った。二人の攻撃で魔はかなり減ったが。
魔はまた出て来た、それで二人はさらにだった。
攻撃を続け戦い続けた、戦いが終わった時には。
二人はもう疲労の極みにあった、その中で龍子は妹をそっと抱いて支えた。そうしてこう言ったのだった。
「あと少しでだったわね」
「ええ、力尽きてね」
「倒れるところだったわね」
「まさかこんなに魔が多いなんだ」
「学校だからでしょうね」
龍子は妹に冷静な声で話した。
「学校は色々なことがあるでしょ」
「ええ、それはね」
「負の怨念にも満ちているわ」
「いじめとかもあって」
「この学校も多分ね」
「いじめとかも多くて」
「それでね」
だからだと言うのだった。
「これだけの魔がいたのよ」
「そうだったのね」
「そう、それでね」
「若しもよね」
「一人だったら」
「そうよね、若しもね」
妹も言うのだった。
「私はお姉ちゃん一人だけだったら」
「負けていたわね。やっぱりね」
「ええ、わかるわよね」
「一人でいるよりもね」
「二人の方がいいわ。それに私はね」
ここでこうも言った妹だった。
「お父さんの血を引いてね」
「赤き龍だから」
「お姉ちゃんが白い龍で」
それでというのだ。
「白き龍と赤き龍で」
「二人でね」
「戦えばね」
それでというのだ。
「今みたいに凄い相手でもね」
「戦えるのね」
「そうよ、だからね」
「これからも二人で頑張っていきましょう」
「ええ、そうしましょう」
龍子は妹ににこりと笑って応えた、そしてだった。
二人で自分達に家に帰った、二人は日常でも一緒だった。そうして夕食を食べて風呂に入って休んだのだった。
白き龍と赤き龍 完
2018・7・18
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