Ep6 悔恨の白い羽根
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する差別意識は、この世界のどこに行っても同じだ。
アーヴェイが、悪魔。リクシアが助け、興味から旅への同行を申し出たアーヴェイが、悪魔。忌み嫌われる禍々しい邪悪、悪意の塊で優しさなんて欠片も存在しない。
――アーヴェイが、悪魔。
リクシアは動けなかった。そうこうしている内に、アーヴェイの身体からはどんどん血が失われていく。それでもリクシアは動けなかった。仲間だと思っていたのに、裏切られたような気がして。リクシアは凍りつくことしかできなかった。
フィオルが悲鳴を上げる。
「リクシア――!」
「無駄だ。こいつは仲間じゃない」
と、不意に、そんな冷たい声がした。
倒れた悪魔――アーヴェイが、冷たい目で彼女を見ていた。先程までリクシアに見せていた、興味に満ちた、どこか面白がるような目ではなくて、まるで物でも見るかのような、どこまでも冷たく凍てついた瞳。
地獄の底のように冷え切った声が、その喉から発せられる。
「人間はみんなそうだ……。悪魔だと分かった時点で、助けることを放棄する……」
リクシアは、呆然と呟く。
「……違う」
するとアーヴェイの目に、冷え切り凍えきった赤の瞳に、嘲るような色が浮かんだ。
「どこが違う? 貴様は……倒れたオレを、見ても……薬一つ、取りに行こう、とは、しなかった……。それを、貴様、が……悪魔に対し、て、含みが……あると、言って……おかしい、か……?」
「違う!」
リクシアは、全力でそれを否定しようとした。しかし心の奥底には、悪魔を恐れ、蔑む気持ちもあるにはあった。アーヴェイのその言葉を否定しきれない自分がいるということに、染みついた、悪魔への差別意識があるということにリクシアは気づいた。――気づいてしまった。
リクシアは死に瀕した仲間を前にして動けなかったのだ。仲間が悪魔だと分かった瞬間に、子追い付いたように動けなくなった。助けなければならないのに、動くことすらできなかった。相手が悪魔だとわかったから!
助けなければならないのに、助けられなかった。助けたかったのに、心のどこかがそれを拒否した。その結果「仲間じゃない」と言われるのは当然のことだろう。当然のこと、これは当然のことだ。わかっているのにどうしてだろう、リクシアの目から涙があふれた。
――アーヴェイは、仲間なのに。
悪魔だというだけで、動きが止まった。
「それが貴様の答えだ……」
悪魔のような、否、悪魔の緋(あか)い、地獄の瞳で睨みつけてきた漆黒の邪悪。
喉が、乾く。眩暈が、する。たまらずリクシアは思わず大地に膝をつく。
そんな彼女に一切構わず、凍えきった声が真実を暴く。
「だからお前は……」
リクシアは耳を塞いで、違う違うとひたすらに首を振った。駄目、言わないで。聞きたくないの。そんなこと、そん
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