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リリなのinボクらの太陽サーガ
新生のフォックス
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る自分達の理屈こそが唯一正しいのだと信じ込み、真の意味で正しい選択を選べなくなる」

「……それってまるで、仲間を見捨てろと言ってるみたいだよ」

「クックックッ、寄生虫の恐ろしい所は、寄生された生物の思考に違和感を与えない所だ。本来不自然なことをしているにも関わらず、それに疑問を持たない。これは即ち、ミームも寄生虫であると言える。お前達は植えこまれた“常識”、あるいは“仲間意識”というミームに操られているのを自覚していないのではないか?」

「“常識”や“仲間意識”が無い人の方が、正しい選択ができると? ふざけないで、それを否定してしまったヒトは社会性を放棄したことになる。ヒトの輪の中に入らないことになるんだよ。普通のヒトがそんな精神でやっていけるはずがない!」

「ヒトの輪? コミュニティの輪だろう、そこは。ヒトという種族としての輪は、歴史上一度も作られたことがない。国家、組織、主義、宗教、理念、思想、ヒトはそれぞれのコミュニティでやっていくために、各々異なる理の下で折衷案を出し合ってるに過ぎない。例えばの話だ、今まで別のコミュニティで生きてきたヒトが、いきなり別のコミュニティの中に何の覚悟もなく放り込まれたら、そのヒトは最初に何を考える?」

「それ……もしかしてシャロンのことを言ってる?」

「さあな、クックックッ……。なんにせよ公爵を相手にするならいっそお前達とは価値観が違う人間……それこそアウターヘブン社のように、管理世界の人間に対して仲間意識の薄い奴が仕切った方が都合がいい。公爵がお前達の性質を熟知している以上、お前達が取りうる策はほぼ全て想定済みだ。奴の策を打ち破りたいなら、攻撃されてばかりの現状を打破したいなら、奴が知らない者の視点が必要なのだ」

「公爵の知らない視点を持つ者……公爵の策は対人間、対英雄に特化している。だったら対抗できるのは……さしずめ魔王?」

「今必要なのは、英雄より魔王、か……もはや名ばかりだが、次元世界の守護者が頼る相手じゃないよなぁ。これも時代の流れって奴のせいか?」

スカルフェイスの時も思ったけど、なんで命や心を大事にしようとする思いが踏みにじられてばかりなんだろう。なんで敵は私達が仲間や優しさを選ぶことで逆に犠牲が増えるような策ばかり講じてくるんだろう。やっぱり私達の覚悟が足りないの? それとも敵がそれだけ狡猾なの?

会談の時、公爵デュマは言った。『もしオレが倒れたとしても、銀河意思はまた新たなイモータルを送ってくる。それもオレより強い奴を次々と……無限にな』と。

つまりこの戦いに勝てたとしても、状況は何も解決しない。ただでさえ厄介な公爵より強い奴が来たら、人類種は本当に勝ち目が無くなる。こっちはもう限界間近なのに相手はまだまだ余裕だなんて、いくら私でも何かの
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