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リリなのinボクらの太陽サーガ
新生のフォックス
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、問題なく終わるさ」

「……フフッ」

「その笑い方……ドレビン神父、あなたまだ何か知ってるね?」

「ああ、お前達が公爵の掌でここまで綺麗に踊らされてるのがあまりに滑稽でな。あれが公爵の罠だと知らずに呑気にしているのが……実に笑える」

「罠!? ドレビン、あなたは公爵の策を見抜いているの!?」

「少しだがな。尤も、これはタダで教えてはやらんが」

「ま、またお金ぇ!? もう私に払う余裕は無いのに……」

「管理局の財政も既に赤字なんだぞ!? これ以上支出が増えれば、マジで破産しちまう!」

「フッ、足りなければ暗黒ローンで借りればいいだろう。返済が間に合わなければ返済分だけ借りて、次の返済に間に合わせればいい。なに、お前達なら身体で払えば短時間で大金を稼げるだろう」

「色んな意味で徹底的に絞りつくす気!? 本当に人生破綻しちゃうよ!」

「えげつねぇ、コイツ本当にえげつねぇ……!」

こ、怖い……。この人、私達の倫理や正義感を揺さぶって、借金地獄に叩き落そうとしてる。自力で罠の内容に気付ければ情報量を払う必要は無いけど、それができてないから本当に困っている。友人の命、敵の情報、私の人生、借金の闇……何かが足りないなら、それを補うために何かを支払えってことか。

「お前達に足りないのは、まさにそういう部分だ。生温い倫理観に囚われたまま、全てを救うなどという世迷言を本当にかなえたいなら、悪魔に魂を売るぐらいの気概を持て」

「いや魂売ったらダメなんじゃ……」

「何も知らないくせになぜダメだと言える? そういう固定観念から生まれる認識に囚われていては、公爵に勝つなど夢のまた夢。この状況を勝利に持っていきたいのならば、自分を変えるのだ。それが出来なければお前達は前に進んでると思い込んでるだけで、実際はその場で足踏みしてるだけの存在となる。フェイト・テスタロッサ、お前は目的のために命を捨てるほどの覚悟はあるか?」

「そ、それは……」

皆を助けるために、悪魔に魂を売れるか。己がエゴを成し遂げるためなら、例え世界を敵に回してでもやれるのか。かつて開発中の魔導炉ヒュードラの暴走でアリシア姉さんを失った母さんは、意思を通したことで私という存在を生み出した。そういう意味では、私は未だに母さんを超えられていないんだ。……世界を売るほどの強い覚悟を出せなかった、今の私では。

「このご時世、生半可な優しさは最早毒と化している。私にとって今の管理局は、ロイコクロリディウムに感染したカタツムリにしか見えん。イモータルの、アンデッドの餌となるためにわざわざ狩場に現れ、人々を守るという名目の下で犠牲になることで奴らの勢力を増やし、復讐心という名の寄生虫を広げていく。その寄生虫がヒトを惑わし、仲間を守ろうとす
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