新生のフォックス
[16/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
んだ。こういう状態での戦闘は本人もそうだが仲間への危険も増すから、避けられるなら可能な限り避けてほしい」
「うん、私も避けられる戦いは避けたいからね。それに……私もいい加減体力も限界だし……」
「ああ……お前は今日一日、本当に大変だったからな。正直同情する」
負傷中の銀髪少女に同情されたよ……。まぁ確かに、我ながらよく生き残れたものだ。というか今日巻き込まれたことの半分以上が、管理世界の人間が原因なんだけど……何なの? 管理世界は私を殺したいの? こっちに来てから散々な目にしか遭ってないんだけど。
ゴロゴロゴロ……。
「あれ? 何あの、黒くて丸いの?」
一抱えサイズの黒い球体の何かがシェルターの方から転がってきて、私は注意深く見つめてみた。やがてその物体は私達の前まで来ると、三つの手が伸びた球体の機械となった。
ビビッ、ビビッ。
「ん、これはトライポッド。通称、仔月光。IRVINGこと月光のサポートとして開発された機体だ」
「じゃあアウターヘブン社の兵器ってことだね。ところでこれ、何しに来たの?」
「情報収集兼見回り。見ての通り小型だから人が入れない狭い場所にも入り込めるし、武装してるから多少の戦闘も可能だ。わかりやすく言うなら、銃器搭載の移動監視カメラみたいなものか」
「へぇ、なんか便利かも」
「あと、機械だからアンデッドに襲われて吸血変異する心配もない。この状況だとぶっちゃけ、人間に任せるより安心感がある」
「確かに生身の人間に任せてたらいつの間にか吸血変異してたなんて笑い話にもならないよね。ところで、どうしてこの仔月光は私を見て反応してるの?」
実際、目の前で手を叩いて喜んでるような動作をしてる。最初見た時は不気味だったけど、こうしてじっくり見ると……案外、小動物みたいで可愛いかもしれない。
「シオンが仔月光を使ってシャロンを探してたからでしょ。今頃こいつの目を通じて、シオンの所に映像が届いてるはずだ」
「映像はともかく、声は届いてないの?」
「一応届いてる。ただ通信してるわけじゃないから、会話はできない。あくまで聞くだけ、見るだけに留まっている」
「ふ〜ん。……こほん、え〜シオン、こっちの声が聞こえますか? あなたがチンク達に応援を頼んでくれたおかげで、見ての通り私は無事です。もう少しでシェルターまで戻れるから、部屋の用意をお願いします。くれぐれも防犯完備でね」
「あ、やっぱり眠い所を不意打ちで襲われたの、意識してる」
「こんな目に遭ったんだから、二度とそうならないように意識するに決まってるでしょ……」
『そりゃそうだ』
一同に同意された。とりあえずメッセージを送ったことで仔月光は喜ぶ動作をした後、私達についてこいとジェ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ