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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第50話 新たな技
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右を攻撃するからヨシュアは左をお願いね」


 エステルとヨシュアが同時に動いて二人のロランス少尉に攻撃を仕掛けた、エステルが攻撃した方のロランス少尉は攻撃を防いでヨシュアが攻撃した方のロランス少尉は攻撃を回避した。


「攻撃を防いだってことはこっちが本物ね!」
「貰った!」


 エステルがロランス少尉を抑え込んでヨシュアが攻撃を仕掛けた、その光景に誰もが捕らえたと思ったその時だった。


「ぐはっ!?」
「ヨシュア!?」


 ヨシュアの攻撃をかわした方のロランス少尉がヨシュアの背中に蹴りを放っていた。どういうこと、あれは残像じゃなかったの?


「甘いな」
「えっ、きゃあ!?」


 隙を見せたエステルをもう一人のロランス少尉が蹴り飛ばした。何とか体制を立て直したエステルだったがその表情には驚愕といった感情が込められていた。


「どういうことなの、さっきのは残像じゃなかったというの!?」
「あれは分け身という達人が使う技術だ。ほんの少しの間だけ実態を持った分身を生み出すことが出来るんだ」
「分け身を知っているようだな。だが俺の分け身は普通とは違う、俺自身の生命力と氣を流し込んで実態を維持すれば実力は本物と比べれば多少落ちるが正真正銘のもう一人の自分自身を作り出せる」
「あんですって……!?」


 もう一人の自分自身を作り出せるなんて反則もいい所だ、余りにも現実離れした光景にわたしは言葉を失ってしまった。


「さらにもう一つ教えてやろう、俺の分け身は一体だけじゃない」


 そう言ったロランス少尉の左に3人目のロランス少尉が現れた。


「そ、そんな……1人でも苦戦していると言うのに3人も増えるなんて……」
「勝ち目なんて最初からなかったのか……」


 ロランス少尉が3人に増えたという現実にエステルとヨシュアは戦う気力を失ってしまったようだ。その目には絶望が浮かんでいた。


「……残念だ、もう少し楽しませてくれるかと思ったがこれまでのようだな」


 3人のロランス少尉が武器を構えてエステルたちに近づいていく、そんな光景を見たわたしはつい叫んでしまった。


「―――――勝って!エステル!ヨシュア!」
「……フィル?」


 普段は出さないわたしの大きな声が聞こえたのか、エステル達が顔を上げてこっちを向いた。


「エステルさん!ヨシュアさん!最後まで諦めないでください!」
「二人なら必ず勝てると私は信じているぞ!」
  

 わたしに続いてリィンとラウラも二人を応援し始めた。


「エステルちゃん!私というライバルが見ているんだから負けたら許さないぞ!だから頑張れ!」
「ヨシュア!男ならもっと根性を見せ
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