第50話 新たな技
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そうですね。でもいい人ばかりですから俺は人とのめぐりあわせには恵まれているんでしょうね」
グラッツの言葉に苦笑いしながらも嬉しそうに話すリィンを見てわたしもリィンや皆に出会えて事を嬉しく思った。西風の皆やクロスベルの皆、そしてリベール王国で出会った人々……掛け替えのないわたしの宝物だ。
(……もし本当にリシャール大佐がクーデターを起こしてもわたしは最後まで戦って見せる、友達を守る為に……!)
私がそんな決意をしていると不意にアナウンスが流れてデュナン侯爵が貴族席に入ってきた、その隣にはリシャール大佐とカノーネ大尉の姿もあった。
「リシャール大佐、出てきたね……」
「ああ、部下の試合を見に来たのかもしれないが用心はしておこう」
わたしは小声でリィンに話しかけた、もしリシャール大佐が何らかの動きを見せようとしたらわたしたちでどうにかするために警戒はしておこう。その後はアナウンスの指示と共に両チームが姿を現した。
「出てきたね……エステルたち、大丈夫かな?」
「大丈夫さ、エステルさんたちを信じよう」
そしてついに試合が始まり両チームが激突した、すると早速特務隊のチームに動きがあった。
「ロランス少尉がエステルとヨシュアの方に向かったね」
「ああ、残りの3人はジンさんとオリビエさんの方に向かったが分担する作戦なのか?それとも別に何か目的があるのか?」
ジンとオリビエに部下の3人が向かってロランス少尉がエステルとヨシュアの相手をするみたいだね、でもリィンに言う通り何の狙いがあるのかは分からない。
「ジンさんとオリビエさんを抑え込める辺りあの3人はロランス少尉の部下の中でも上位の強さをもっているんだろう、だが……」
「うん、問題はやっぱりロランス少尉だね」
エステルとヨシュアは果敢にロランス少尉に向かっていくが全ての攻撃がいなされてしまっている、背後や死角からの攻撃やアーツすらも完ぺきに対応してしまっている辺りロランス少尉の実力はやはり頭一つ、いやいくつも飛びぬけている。
「……おかしい」
「何がおかしいの?」
リィンがロランス少尉の動きに何か違和感を感じたらしくわたしは何がおかしいのか聞いてみた。
「明らかに今までの戦いと違って手を抜いている、現にクラフトやアーツを使っていない」
「確かに使っていないね、なにがしたいんだろう?」
「俺にはロランス少尉がエステルさんとヨシュアさんを試しているようにも見える、でも敵であるロランス少尉がなんでそんなことをするんだ?」
言われてみればロランス少尉は明らかにチャンスの場面でも攻撃に移行しないし無駄な動きもある。
「はぁはぁ……どういうつもり
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