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俺様勇者と武闘家日記
第1部
アリアハン〜誘いの洞窟
盗賊と鍵
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―――。 
 がちゃっ!!
 おじいさんの後ろで、なにやら鍵の開くような音が聞こえた。
「うおおぉぉぉぉおおお!!! よっしゃあああぁぁぁ!! 開いたぜ!!!!!!」
 こっちまで響くかなりの大声でそう叫んだのは、先ほど上の階で倒れていた銀髪の人だった。
「いやーん、お手玉落としちゃった」
 暇なのか、いままでお手玉をしていたシーラが一人嘆く。
「やっと開けられたぜ!! おいジジイ!! 約束どおり俺を一人前の盗賊として認めやがれ!!」
 おじいさんは深々とため息をついた。
「何じゃお前。この大変なときに。ほんっと昔からエアーリーディングをせんやつじゃな」
「なんだよそれ! いーから、早く『盗賊の鍵』くれよ!! もしこの扉を自力で開ける事が出来たら盗賊の鍵をくれるって、約束したじゃねーか!!」
「えっ!?」
「盗賊の鍵、だと!?」
 私とユウリは同時に彼のほうを見た。銀髪君は事態をまったく把握していないようで、おじいさんと私たちを交互に見ている。
「あれ? なんであんたらうちのジジイの所にいるんだ? つーかさっきも会ったけど、あんたらいったい何者なんだ?」
「馬鹿者!! この人は勇者じゃぞ!! 口を慎まんか!!」
「は? 勇者? この目つきの悪いのが?」
 といって怪訝そうな目でユウリを見る。当のユウリはさっきから人にじろじろ見られたせいか、ものすごく不愉快な顔をしている。
「じゃから口を慎めと言うとろうが!! 前にお前に夢のお告げの話をしたじゃろ!! そして今ここに、わしが夢の中で見た勇者と同じ姿をした少年が目の前に現れたのじゃ!!!!」
「あー……なんか子守唄代わりにそんなこと言ってたような……。てっきり寝言でも言ってるのかと思ったけど」
「馬鹿者!! 誰が寝言なんぞ言うか!! お前もわしの孫なら、そのぐらいの予知夢でも見んか……」
 がたんっっ!!
 一瞬にして場が静まり返る。
 ユウリがその辺にあった椅子を蹴倒したのだ。
「さっきから聞いてれば何をごちゃごちゃ喚いてる。いいから早く盗賊の鍵を渡せ」
「おお!! そうじゃった! おぬしが勇者とわかったからには、これを渡さなければならんな!」
 そういって、おじいさんはそそくさとベッドの脇のタンスの引き出しを開け、そこから小さい箱を取り出した。
「おっ、おいジジイ本気か!?」
 銀髪君の焦りをよそに、おじいさんはユウリに古ぼけた鍵を手渡した。それはまさしく、私たちが求めていた『盗賊の鍵』。
「お告げによれば、わが弟子が作りし鍵が、伝説の勇者の手助けになるだろうと予言している。最初は半信半疑だったが、今こうして目の前に夢で見たのと同じ姿の勇者が現れた以上、信じる他なかろう。さあ、勇者殿、この鍵をどうか受け取ってくだされ」
「ふん、最初から素直に渡せば
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