ゲーム鑑賞
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が動き、足が動き、体が持ち上がっていく。
もうとっくに限界なんて超えているはずだ。あれだけの威力のものを叩き込まれたのだ、普通はとっくに倒れているだろう。
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!』
だが、獅子王は―――雄々しく、しかし、どこか悲哀にも感じる、透き通った咆哮をあげて、立ち上がる。
そして、また始まる殴り合い。赤龍帝がどれほど攻撃を撃ち込もうとも、それと同じくらいの攻撃を、ただただ放り込み続ける。その拳の一撃は、万物を打ち壊すほどに苛烈で、研ぎ澄まされたもの。
―――滅びを持たない大王?冗談じゃない。あれが、あの拳のもたらす破壊こそが『滅び』そのものだ。
アレを相手にするときは、本当に最後の一滴まで、絞り尽くすつもりでやらなければならないだろう。
赤龍帝の良い一撃が入っても、まだ倒れない。赤龍帝は、ついに鎧を持続することさえできなくなる。これは、もう勝負は―――
「……まったく、とんでもないな」
………いや、違う。獅子王は、もう―――意識を失っている。
それでもなお、笑って、ギラギラした眼のまま、赤龍帝を見据えて。
『……ありがとう………ありがとうございましたぁぁあッッ!!』
赤龍帝の叫びと共に、ゲームの終了が告げられた。
「さて、今回のゲームを見てどうだった………四織?」
「どっちも相手にしたくはない。そして……相手をするなら、出し惜しみなんかできる相手では、ない」
「だろうな……だが、彼らと戦ってみるのも、英雄になるためには、必要だと思わないか」
「……悪戯心でちょっかいを出せば、火傷じゃ済まなくなると思うけど」
「だが、どうせいつかはやらなければいけない。それに、彼らはあありえない方向に力を伸ばしている。データとしては極めて稀な存在だ。いずれ神器の究極戦をやるなら、彼らの成長を刺激してみるのも手かと思えてなぁ」
「………………………」
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