ゲーム鑑賞
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「…総力戦?」
「ああ。バアル眷属の女王を赤龍帝が倒し、この後の試合の流れはもはや確定的になった。それではつまらないからと、サイラオーグ・バアルが総力戦を希望したのさ。―――ようやく、あの赤龍帝とバアルの壮絶な打撃戦……戦闘が好きな者ならば思わず達してしまうほどに魅惑的だろうね」
曹操も楽しそうだ。そう思いながら、画面に意識を集中させる。
――画面の中では、バアル眷属の『兵士』の少年が、金色の獅子へと変化していく姿が映っていた。
「…ネメアの獅子か!まさか、バアル眷属の『兵士』になっていたなんてね。悪魔の駒は神滅具さえも転生させるのか」
曹操の目が驚きに見開かれ、同時に嬉々とした色を宿す。なるほど、あれは13ある神滅具の一つ……初代ヘラクレスが倒したというネメアの獅子!
それに驚いている間にも、赤龍帝とサイラオーグ・バアルの壮絶な打撃戦は続いている。
『龍剛の戦車ゥゥゥッ!』
『Change Solid Impact!!』
赤龍帝の腕が急に太くなったかと思うと、撃ち込まれた拳の後にさらに撃鉄が撃ち込まれた強烈なアッパーがサイラオーグ・バアルを打ち上げる!
『龍牙の僧侶ゥゥゥッ!!』
今度は背中にバックパック、肩にキャノンが形成される。
「あれが俺が京都で足を掬われた赤龍帝の特性…トリアイナと呼ばれる強制昇格のようなものだ。覚えておくといい」
曹操の解説を聞きながら画面を注視する……リアス・グレモリーが獅子にやられているようだ。
『サイラオーグさま!私を!私を身にまとってください!あの禁手ならば、あなたは赤龍帝を遥かに超越する!勝てる試合をわざわざ本気も出さずに――』
『黙れッ!あれは……あの力は冥界の危機に関してのときのみに使うと決めたものだ!この男の前であれを使って何になる!?俺はこの体の身でこの男と戦うのだ!』
「……禁手化?」
それは、できるのだろうか…本来の所有者ではない、あのバアル家次期党首に。
そう疑問を込めて曹操を見やると、興味深げに見ている。それだけでわかった―――可能性は、ある。そして画面の向こうの男は、それをやると。
『―――今日、俺は最高のあなたを倒して勝利を掴むッ!俺たちは夢のために戦ってんだッ!本気の相手を倒さないで何になるんだよッ!?』
赤龍帝の叫びが木霊する。―――戦術的に見れば、勝ちを捨てる愚かな行為。
でも………それでもなお譲れないものが、ある。
『……すまなかった。心のどこかで、ゲームなのだと、二度目があるのだと、そんな甘い考えを頭に思い描いていたようだ、なんて、愚かな考えだろうか……ッ。このような
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