ゲーム鑑賞
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けど。
音声から察するになんだか試合らしからぬことが行われているのは間違いないのだけど…ねえ曹操、いい加減に見せてほしいのだけど。
その後、第三試合が終わるまで曹操は私の視界を封じたままでした。そして上に乗ったままでした。いじわる。
「ふむ、アバドンの『穴』はああいう風にも使えるのか。厄介だが対処法がない訳じゃない」
第五試合「雷光の巫女」VSバアル眷属の「クイーシャ・アバドン」の女王対決が終わり、勝利したバアル眷属の能力を分析していう曹操を横目に、私はペットボトルの水を飲んで水分補給をする。
と、画面がいきなり盛り上がる。何かと思って視線を移せば、ダイスの出目は――12
「来るぞ、サイラオーグ・バアルが」
画面の中で上着を脱ぎ、戦闘服に包まれた見事な体躯を露わにするサイラオーグ・バアル。
グレモリー側から出すのは……木場祐斗、ゼノヴィア、ロスヴァイセと言ったか。
「……ほう、悪くない。赤龍帝までに一度涙を使わせる気の布陣だな」
「…始まるね」
四肢に奇妙な文様を浮かび上がらせたサイラオーグ・バアル。その文様が消失すると同時に、サイラオーグを中心に風圧が巻き起こり、足元が抉れる。
「闘気だね」
「ああ、仙術ではないようだがな…おそらく、あれはただ単に純粋な生命力。可視化するほどの濃密さで纏えるとはたいしたものだ。どれだけ自分を鍛え上げたのか」
「…てことは、私と相性は悪いってことだね」
万霊殺しは言うならば“遅行性の毒”。生命力がありすぎる相手には効き目が表れるまで長い時間がかかる。まさに天敵と言えるだろう。
サイラオーグのスピードは速い。しかも…いま一撃打ち込んだだけでヴァルキリーの鎧を粉砕したことから、威力も馬鹿げていると理解できる。
能力上相性が悪く、一発でも貰えばアウト……私にとってはまさに相性最悪と言えるだろう。
そう結論付けて立ち上がる。
「曹操、ご飯取ってくるね。あと、そのあとでいいからちょっとシャワー浴びてもいい?」
「ああ、構わない。着替えがないなら俺のワイシャツでも貸そう」
「ありがと」
◆◇◆◇
戻ってくると、曹操がこちらを見てすぐに目を逸らした。
「どうしたの?」
「……服を着ろ。そのままで出てくるな」
ばふ、とワイシャツを投げつけられる。仕方がないのでお借りすることにしてワイシャツを羽織り、曹操の横に座る。
「髪を乾かせ。風邪をひくぞ」
「はい」
ドライヤーを出しだすと、ため息をつきながら私の髪を乾かし始める。自分でやってもいいのだけど、曹操にやってもらう方が気持ちいいから、つい。
と、テレビの方に注意を向けると……赤龍帝とリアス・グレモリーが同時に出場していた。
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