167 今後(これから)
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を堀に担わせたような責任感でいっぱいだった。そして自分が好きになっている城ヶ崎もこんな自分を見て失望するのではないかと思った。もしかしたら城ヶ崎も自分も他の男子と同様に冷ややかな目で見るようになるのかもしれないという不安までも感じた。
「西村君、大丈夫よっ、落ち込まないでっ!!」
「そうですよ、助かったんですから!」
「西村君はタロの気持ちを一番に理解しているよ!僕なんて卑怯だから絶対に西村君や堀さんのような事はできないよ!」
「う、うん・・・」
たかしは皆から慰められて少しは落ち着いた。
「貴方のタロ、また見てもいいかしら?」
「え?う、うん、タロ。この人が君を助けてくれたんだよ」
「ワン!」
タロは堀を見て嬉しそうな顔だった。
「触ってみるかい?」
「いいの?」
堀はたかしからタロを受け取り、触らせてもらった。タロは堀にすぐになついたようで彼女の頬を舐めた。
「西村君、また貴方の犬に会ってもいいかしら?」
「え?う、うん、よかったら今度僕の家に招待するよ!今度僕達と一緒に遊ぼうよ!」
「ありがとう、そうだ、私藤木君と文通してるから藤木君、西村君にも私の住所教えてあげて」
「あ、うん・・・」
藤木は後でたかしに堀の住所を教える事にした。藤木はもしかして堀がたかしを好きになったのではないかと思った。
(もしかして堀さん、西村君が好きになったのかな・・・?確かに僕はリリィと笹山さんが好きという事になってはいるけど、もし二人から嫌われたら堀さんを選ぶつもりなんだ・・・。もし二人から嫌われて堀さんも西村君と一緒になったら僕はどうすればいいんだろう・・・?)
藤木は勝手な不安を感じてしまった。
「西村君、城ヶ崎さんから聞いたけど、貴方は自分のタロや城ケ崎さんのベスの為に私の学校の人と戦ってたんでしょ?タロだって有難く思ってるわ。そうでしょ、タロ?」
タロは堀の言葉が分かったのか、「ワン!」と返事した。
「最低なんかじゃないわよ」
「うん、ありがとう、堀さん・・・」
やがて堀の服も乾き、堀は服をまた着て、遅くなった事情を母に説明するために自分の家に電話した。藤木はたかし、みどり、堀、そしてみきえと共に城ヶ崎家を出ることにした。
「それじゃ、さようなら」
「ええ。みどりちゃん、また遊びに来てね」
「姫子さん・・・。はい、ありがとうございます!」
みどりは礼をした。
「藤木。スケート、頑張ってね」
「うん・・・」
「城ヶ崎さん、貴女のベスも可愛かったわ」
「堀さん、う、うんっ、ありがとうっ!」
「下着は洗ったらすぐ返すわ」
「大丈夫よっ、慌てなくていいわ」
皆は城ヶ崎家を後にした。
「私もそろそろ帰んないと。遅くなって明日学校に遅れるなんてみっともないからね」
「そうですね」
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