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デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
デート 後編
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断も隙もない発言に、暁夜は冷や汗を浮かべる。公共の場だというのに、全然ブレない折紙にある意味尊敬するがそれ以上に呆れてしまう。全然ブレない折紙にある意味尊敬するがそれ以上に呆れてしまう。公共の場などお構い無しの発言と態度に。

「じゃあ何をくれるの?」

「あー、と。 服とか?」

「服よりも下着の方が私は嬉しい」

「・・・はぁ。 分かったよ」

暁夜は大きな溜息をつき、妥協する。何となく、ここで断ったらそれ以上の無理難題が飛んでくる気がした。

「そうと決まれば、すぐに買いに行く」

「ちょ、引っ張らなくてもついてくから離してくれよ!?」

暁夜は、折紙に引っ張られていきながらそんな声を上げた。

?

「はぁ………はぁ」
 
 走ったわけでもないのに、妙に息が切れていた。様々な店が建ち並ぶ通りに出たところで、歩調を緩める。
 
「気分でも悪いのか、シドー?」
 
「や、そういうわけではないんだが・・・」
 
「ではどうした?」
 
 十香が首を傾げて問うてくる。

「・・・少し、お空にいる妹に思いを()せていたんだ」
 
「お空にいるのか」
 
 少し驚いたような顔を作る十香。

「ああ。可愛い妹だったんだがなあ・・・」
 
 まさかあんな二重人格だったとは、と嘆息する。

「そうか・・・」
 
 何故か十香がしんみりした空気を発するのを見て、士道ははたと気づいた。今の言い方では、まるで琴里が死んでしまっているみたいではないか。

「ああいや。違うんだ十香。それは―――」
 
 士道はそこで言葉を止めた。
 
「お願いしまーす」
 
 急に目の前に、女がポケットティッシュを差し出してきたからだ。咄嗟に手を出してそれを受け取ると、女は小さく会釈をしてどこかへ去っていった。
 
「シドー?何だそれは」
 
「ああ、これはポケットティッシュっていって―――」
 
 そう言いかけて、士道は首を捻った。
 街頭で配っているポケットティッシュは普通、企業の広告用だ。なのにこのティッシュのパッケージには、手を繋いだ男女のイラストと、『幸せなら手を繋ごう』というフレーズしか 書かれていなかったのだ。何かの宗教団体だろうか?

士道が不思議に思っていると、今度は右手にある電話店から、どこかで聞いたような声が聞こえてくる。店頭に並べられたいくつものテレビに、奇妙な番組が映し出されていた。
 
「な・・・ッ!?」
 
 士道は眉根を寄せて声を上げた。昼間にやっている情報番組のようなセットに、何人かコメンテーターのような人物が確認出来るのだが、それらが全て<フラクシナス>で見た顔だったのだ。
 
『やっぱり初デートで手を握ってくれないよう
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