第2章 項羽と劉邦、あと田忠 〜虞兮虞兮、奈若何〜
第5話 項羽ジェノサイド
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¥月■日
なぜか俺と章邯は2万人の軍勢を率いている。
元囚人軍の中から勝手についてきたのだ。
死ぬ最期のときまでついていきやす!と頼み込まれちゃ、断れんよな。
こいつらも無事返してあげたい。
一方、祖国から離れることを今も悩む章邯を連れ出すのは大変だった。
忠義9は伊達ではない。今だに祖国を憂いている。
けどな、もう秦の滅亡は免れないだろう。
確かに、俺たちは連戦連勝している。
けれども、それは局地的な勝利であって、全体としてはジリ貧なんだよ。
もう少し上層部に理解があれば、あるいは……と思ったが。オワコンっすな。
なら、俺たちはその先を見据えなければならい。
民を救う。それは俺たちだけにしかできない事業だ。だろう?
×月☆日
鉅鹿が陥落した。あの大城塞が、たった一日で落ちたのだ。
20万人もの兵士が捕虜になったらしい。相手は、項羽率いるたった3万人の軍勢だ。
項羽は、河を渡ると、船と兵糧を燃やした。そして、生き残りたければ、戦って勝てと発破をかけた。
3日分の食料だけ持たされ、鉅鹿に着いた頃には、糧食は尽きていた。
飢えを恐れた項羽軍の猛攻に恐れをなした秦軍は、あっという間に総崩れになった。
最後は、兵士の助命を条件に、降伏したそうだ。
俺と章邯が抜けたことで、士気が下がっていたのも影響しているだろう。
ああ、もう秦は本格的にオワコンなんだな……すまない、お姫様。
いくらなんでも一日で落城させるとか、項羽というやつはチートすぎる。
俺と同じ転生者だろうか?
@月#日
俺たち "反乱軍" は秦の北西部の更に先へ、西戎と呼ばれる異民族がいる地域へと向かっている。
インド(っぽい地域)へと行く際に、いくらか仲良くなった部族がいるので、お世話になるつもりだ。
これは秦の民を救うためでもある。征服者であった秦の民が、反乱軍に負ければどういう扱いを受けるか。
囚人前で章邯が行った演説のように、略奪の限りを尽くされるだろう。下手すれば皆殺しかもしれない。
得た情報によれば、項羽たちは楚の懐王の子孫を王位につけて将兵を集めている。まあ、傀儡の王だな。
で、その王様から咸陽に一番乗りした者を王にするとの言質をとって、多くの軍勢が咸陽目指して進撃中。
どうやら連携もとれていないようだ。ふむ。咸陽周辺で機を伺うことにしよう。
@月&日
この人でなし!!
項羽軍に降った20万人の捕虜が死んだ。
項羽の軍隊は咸陽へと進撃を続けていたが、自軍の何倍もの秦の捕虜が邪魔だと思ったらしい。
夜半に捕虜を襲撃し、崖へと追い込んで皆殺しにしたそうだ。
苦楽を共にした皆のほとんどは、崖へ飛び込んで転落死した。しかも、上から岩を落とすという念の入
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