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僕のヒーローアカデミア〜言霊使いはヒーロー嫌い〜
第1章: 桜兎 緋奈
桜兎 緋奈のプロローグ
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英雄(ヒーロー)が嫌いだ、とそう思ったのは中学時代に起こったある出来事だった。別に殺したいや死んでしまえばいい、とは思っていない。ただ、嫌いだった。

英雄(ヒーロー)に憧れる人間が。

英雄(ヒーロー)を生業にする人間が。

そして−−平和の象徴と呼ばれる英雄(ヒーロー)が。

これはヒーローを嫌う少年が、ヒーローに憧れ、最高のヒーローになるまでの物語だ。

?

4月。それは学生にとって新生活が始まる季節。小学生は中学生に、中学生は高校生に、高校生は大学生に、大学生は社会人に。そしてその中で夢を叶える一歩となるのが高校だ。高校の選び方次第で、将来なりたい存在になれるかなれないかが決まる。

「はぁ、今日は高校の入試日か」

左右非対称の白黒(モノクロ)の髪に紅色と空色の左右対称の瞳。 端正な顔立ち。 外見は細くも太くもない丁度いい体格。灰色の制服を身につけ、薄っぺらい片手鞄を手にとある建造物の前に立っていた。

【国立雄英高等学校】

平和の象徴と呼ばれる『オールマイト』を始めとした現在活躍する沢山のヒーローを生み出したヒーロー育成校。

ヒーロー科のほかにも普通科やサポート科、経営科が各3クラス有り、
一学年11クラス構成のマンモス校である。

広大な敷地面積を有し、学内にはさまざまな施設がある。

「しっかし、人が多いな。 僕、人混み嫌いなんだよなぁ」

この少年と同じように、雄英高校の入試会場へと向かっていく人達を見ながら、呟いた。と、その中に見慣れた黒髪ポニーテルの少女を視界に捉えた。

「あれ・・・って、八百万?」

ぽつりとそう呟くと、その声が聞こえたのか、八百万(?)がこちらを振り返った。八百万(?)は不思議そうに周囲に視線を動かし、やがて視線が白黒の髪に紅色の瞳をした少年を捉える。それに伴い、パァァ、と八百万(?)の顔が明るくなり、こちらに走ってきた。

「お久しぶりですわ。 緋奈さん」

八百万(?)は緋奈と呼ばれる少年の手を握った。それに対し、

「久しぶり、八百万」

緋奈は微笑んだ。

手を握る彼女の名前は、八百万(やおよろず) (もも)。 小さい頃に緋奈が住んでいた家の隣の豪邸のお嬢様だ。昔はお互いの両親の仲が良く、必然的に彼女と遊んでいた。だが、小学生に上がる頃に、緋奈の方が引っ越し、それっきり会うことは無かった。

「緋奈さんもヒーロー志望ですの?」

「あー、うん。 まぁ、そんな所かな」

苦笑いを浮かべて答える。緋奈は別にヒーローになりたくてきた訳では無い。緋奈の両親はプロヒーローだから、自分もヒーローにならなければならないという伝統があるからという家庭の理由だけである。

「とりあえず、入試会場に行
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