Knight's & Magic & Carrier 5
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殲滅が終わり、荷車内で出来る整備を終わらせてからエレオノーラの様子を見に行く。
「あれま、大丈夫じゃなさそうだな」
「トールですか。すみませんが、一人にしてください」
「駄目だ。どうせ一人で抱え込んで悪い方にばかり転がるだろうからな。自分が壊れているんじゃないのかって悩んでるんだろう?壊れていて当たり前だ。オレ達は一度死んでいるんだ。どうやって死んだのかは色々だろうが。その時に人としての何かが壊れたんだろう。だが、別に転生していなくても人として壊れた奴はいる。結局のところ、どうするかは自分が決めることではあるし、自覚した状況が状況だ。初めての実戦でアドレナリンとか脳内麻薬がどばどば出ていた状態だとまともな判断は無理だ」
「では、どうしろと?」
「冷静な状態で壊れていると感じた状況を再現する。レスヴァントに搭乗していた中で一番偉そうなのを捕虜にした。好きに使え」
「使え、ですか。それがトールの壊れている部分ですか」
「そうだ。感情が完全に死んでいる。悲しいとか苦しいとか楽しいとか、全く何も感じない。オレに何かを感じさせるものは前世の物のみ。前世の夢、思い、誓い。それだけがオレを動かす原動力だ。お前の強い思いはなんだ?」
「強い、思い」
「それだけは絶対に壊れていない、自分自身を信じる道標だ。お前が信じるお前を信じろ」
「私が信じる私を。カミナの兄貴は本当にいい男ですね」
「男が惚れる男ってのはああいう男なんだよ。老若男女問わず、人を魅了させる。でっかい男だ」
「そうですね。私が信じる私、か。すこし、考えてみます」
「多少は落ち着いたようだな。今ならまだまともな答えが出るだろう。オレはファルセイバーの改造を進める。欠点がある程度分かったからな」
どうもオレやエルとは違い、吸気が下手なエレオノーラのために3基積んでいる魔力転換炉の内、1基を常時吸気状態にして魔力を生成させ、その1基に使用させずに残りの2基に使用させるようにラインを組み替える。むしろ、これが魔力転換炉を複数搭載する際の正しい運用法なのではないだろうかと思い始めている。
「グリッターパーツ、同じようにした方が良いな。いや、専用の魔力転換炉の製造が先か?エルとも打ち合わせが必要だな。術式も変更しないと」
つくづく売り払ったのが惜しくなる。ウォーカー・ギャリアで遊ぶしかないか。それとも予備のカルディトーレを改修して見るか。ツールボックスは稼働状態を維持しておかないと問題があるからな。
空力補正にカバーで覆って、いや、それだと反応速度が下がるし整備性がひどくなる。やはり既存の幻晶騎士を空に上げるのは負担が大きいな。バックパックで調節するしかないか。武器は、剣よりも
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