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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第48話 本選開始
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…」
「ああ、少しでも相手の太刀筋を見極めておかないとな……」


 俺はロランス少尉の動きを少しでも把握しておこうとしたが、試合はあっという間に終わってしまった。


「一瞬だと……!?」


 昨日はロランス少尉の動きはなく部下の3人が圧倒して勝ったが彼はそれをあざ笑う位の見事な完封を収めた。


「す、姿が見えないなんてものじゃない……気が付いたら終わっていたぞ……!?」
「なんという事だ……」
「……強いっていう感想しか出てこないね」


 試合が始まってロランス少尉が動いたと思ったら、相手のチームは全員が地面に倒れていた。縮地というまるで高速移動をしたかのような動きをする技術があるが彼の動きはそれ以上に洗礼されていた。 自分の身長程はある大剣を片腕で振るう膂力、豹のようなしなやかな身のこなしに閃光の如き太刀筋……正直勝てるビジョンが思い浮かばないほどの見事な動きだった。


「……フィー、どうやら君が言っていた事は間違いじゃなかった。いやそれ以上だったな」
「うん、前に戦った時は相当手加減されていたって実感した。あれはもう勝てる勝てないの次元じゃない」


 最悪アレと戦う可能性があるのか……もしクーデターが起きたとしてもこの国に残ると決めたがかなりの苦難の道になりそうだ。


(……あの力を使う事も考慮しておくべきか?)


 俺はいざとなったら俺の中にある力を使わなければならないという決意をして去っていくロランス少尉を見ていた。


「今日の試合は終わっちゃったね、これからどうする?」
「エステルさんたちに会いに行こう。労いの言葉をかけておきたい」
「じゃあグランアリーナの入り口に向かおうか、そこで待っていれば会えると思うし」
「よし、じゃあ行こうか」


 エステルさんたちに会うためにグランアリーナ前の入り口で待っていると、オリビエさんとジンさんが出てきた。


「オリビエさん、ジンさん。一回戦突破おめでとうございます!」
「やあ、リート君。ワザワザ出迎えてくれるなんて僕は愛されているねぇ」
「はいはい、凄かったですよ。あれ、エステルさんとヨシュアさんはどうしたんですか?」
「二人なら別れた後に何処かに向かったぞ?何か用だったのか?」
「いえ、労いの言葉をかけようと思ったんですが、いないのならまた明日にします」


 どうやら二人は用事があったようだ、もしかしたら女王陛下に関することかもしれないので今日は声をかけるのは止めておこう。


「これから遊撃士チームの奴らと一緒に飲みに行くがお前さんらもどうだ?」
「遊撃士チームの皆さんと……ですか?」


 うーん、できれば遊撃士の人たちとは会いたくないんだよな……申し訳ないけどここは
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