アインクラッド編
16.50層
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ながら、盾と腕がぶつかった。
「おらあぁっ!」
威勢のいい掛け声とともに、メイススキル《ブルータル・ストライク》が放たれ、腕を粉々に打ち砕いた。
ふわりと揺れる紫色のマント。金色の糸で施された、桜の模様。
「おい、大丈夫か!?」
「生きてる!?」
「リヒティ・・・ナツ。何で・・・」
リヒティに差し出された手を無意識に掴み、俺は立ち上がった。よく見てみれば、リヒティとナツ以外のメンツも全員そろっていた。プレイヤーの数自体も増えている。援軍が到着したらしいが、それにしたって早すぎる。
「皆来ちゃった。後で説明はするから。まずはあれ、倒そう!」
どこか申し訳なさそうにミーシャが言った。
――――あぁ、やっぱりこいつらは。
何か言おうと思ったが、ぐっとこらえる。まだ戦いは終わっていない。
「ボスの動きは聞いてるようだから言わないからな。役割はいつもと同じだ。――――行くぞ!」
「ぜああああぁぁぁ!」
キリトの片手剣ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》がボスの胸のど真ん中を打ち抜いた。耳障りな悲鳴を上げながらボスはのけ反り――――硬直、爆散した。
Congratulation!!の文字が浮かび上がる。
一瞬の沈黙の後、大音響の完成が、部屋いっぱいに広がった。戦線が崩壊しかけたものの、結果的に死者はゼロ。俺は詰めていた息を吐き出し、剣を鞘にしまった。
「おっつかれーー!」
バシンッと背中をたたかれる。もはや慣れを通り越して懐かしくなりながら振り向くと、ミーシャは何故かパチクリと目をしばたたかせた。
「えっと・・・怒らないの?」
「なんでだ」
「え、それは・・・ううん、何でもない!」
「そんなことより、何でここに」
「ミーシャさん」
割り込んできた声の方を振り向くと、声の主はアスナだった。
「《夜桜唱団》の皆さんに、救援部隊に加わっていただいたことを感謝します。それと、救援部隊のリーダーをせっついてくれたことも」
「あぁ、イエイエ」
「よかったら、次のボス戦にも参加してください。攻略組は多いほうがいいですから」
そこまで言って一礼すると、アスナは踵を返して離れていった。アスナが十分離れるのを待ってから、もう一度ミーシャに問いかける。
「・・・ミーシャが言ったのか?何で来た?」
「そうだよ。なんかやたら人が転移してくるし、どうやら迷宮区から来てる人ばっかりだったし。これ結構やばいんじゃない?って思って・・・。危険なのはわかってたけど、アルトを放ってはおけなかったし・・・。ごめんね、勝手やって・・・。アルトが反対してたのは、私たちのためだっていうのは分かってたんだけど・・・」
若干目をそらし、だんだん語尾が尻すぼみになっていく。どうやら俺に怒られると思っているらしい。今更だ。
俺はいろいろ言おうと思
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