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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第四十七話 命の理由 2
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ィヴィオ」

静かに、なるべく優しく語りかけるようにアスカは言った。

「……」

ギュッとなのはの服を強く掴むヴィヴィオ。

「ヴィヴィオ」

アスカはもう一度声をかける。

「……」

ヴィヴィオはなのはの後ろに隠れつつ、チラリとアスカを見た。

(興味はあるみたいだな……じゃあ、なるべく怖がらせないようにしないと)

一呼吸おいて、アスカは再びヴィヴィオに話しかける。

「ヴィヴィオ。オレの名前は、アスカ・ザイオンだ。アスカ」

アスカは自分を指さして言った。

「……」

怖々、と言った感じでヴィヴィオはアスカを見る。

車の中では怖がっていただけのヴィヴィオが、初めてアスカに興味を抱き始めているようだ。

「アスカ」

もう一度、アスカは同じ行動をした。

少しだったがヴィヴィオが反応してくれたので、アスカは嬉しくなり、自然と笑顔になる。

ジッとアスカを見つめるヴィヴィオ。そのオッドアイの瞳を、アスカは受け止める。

「……アスカ……お兄ちゃん……」

「!!!オレを、お兄ちゃんって呼んでくれるのか?」

飛び上がって喜びたい所をグッと堪えて、アスカは粘り強く話しかける。

コクン

まだ、なのはにしがみついているヴィヴィオだったが、しっかりと頷いた。

(知らない顔ばかりで、心細いんだろうな……)

そう確信を得るアスカ。

「ヴィヴィオ、お友達にならないか?ヴィヴィオが寂しくならないように、一緒に遊ぼうよ」

「お友達……」

ヴィヴィオは友達という言葉に反応する。

「うん、お友達だ。ヴィヴィオがお友達になってくれると嬉しいな」

アスカはそう言って右手を出した。

「……」

ヴィヴィオはジィーッとその手を見ている。

「……」

アスカはそのままの体勢でヴィヴィオを待つ事にする。だが、ヴィヴィオは動かない。

「ダメ、かな?」

車で怖がられたが、この場では返事をくれた。だから期待したが、ヴィヴィオはそれ以上の行動をしない。

内心、かなり落ち込むアスカ。ほんの少しだったが、右手が下がる。

すると、それまでなのはにしがみついていたヴィヴィオが離れて、アスカに近づいて行った。

「ヴィヴィオ?」

ヴィヴィオが離れた事に驚くなのは。

ヴィヴィオはアスカの前まで歩き、そしておっかなびっくり手を伸ばして、アスカの右手に触れた。

「……オレと、お友達になってくれるの?」

アスカがヴィヴィオに尋ねる。

「……うん」

小さい声で、それでもはっきりとヴィヴィオが答えた。

「そうか、ありがとう」

アスカは微笑んで、両手でヴィヴィオの小さい手を包み込む。
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