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タールート王
第三章
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 それはタールートも同じで夫を見送った後の娘にこう言った。
「あの者は心配無用と言ったが」
「まさか。相手はジャールードよりも大きな巨人達ですね」
「それも数多くいる」
「その様な者達を全て討ち取るなぞ」
「だから逃げてもいいと言っておいた」
「いえ、あの方は敵に背を向けることはありません」
 絶対にとだ、娘は父に語った。
「だからこそ余計に心配なのです」
「巨人達と戦い死ぬとか」
「幾ら何でもこの度ばかりは」
 こう言って夫を心配していた、実はタールート自身流石に幾ら何でも嫉妬から彼に大変なことを言いつけたと思った。
 そしてだ、彼が王宮にいないとだ。
 彼の助言がなくだ、王は全てを一人で考え一人で決めなくてはならくなっていた。若い頃はそれでよかったが。
 年老いた今はそれが辛くなっていてだ、夜に妃にこう漏らした。
「駄目だ、もう余もだ」
「お歳とですね」
「思う様になった」 
 こう言うのだった。
「そのことを実感した。あの者がいるとな」
「ダーウード殿がですね」
「いたら何かと助けてくれて何も困らなかったが」
「今は」
「辛い、歳を取って身体が衰えた」
 そのせいでというのだ。
「お陰でな」
「では」
「ダーウードに一番助けられているのは余だったのだ」
 このことを実感しつつ言うのだった。
「だというのに余は」
「巨人達に一人で向かわせる様な」
「その様なことをした、馬鹿なことをした」
 今は後悔を感じ言うのだった。
「これではな、今はだ」
「ダーウード殿がですね」
「逃げてきてもいいから無事に戻ることを願っている」
 いつも自分を助けてくれた彼をというのだ、彼は後悔することしきりだった。そしてある日のことだった。
 彼のところに兵士が来て報告してきた。
「ダーウード殿がです」
「どうなった」
「はい、今エルサレムの正門にお姿を現わされました」
「何っ、無事なのか」
 タールートはこのことにまずは安心して兵に問うた。
「そうなのか」
「はい、怪我は全く負っておられないです」
「それは何よりだ」
 喜びと共にこの言葉を出した。
「本当にな」
「しかもです、巨人達の首をご自身が車に乗せて曳かれています」
「首をか」
「どれも巨大な、人の大きさ程の首ですが」
 それでもというのだ。
「全て車に乗せて」
「それで自分が曳いてか」
「そうされて来ました」
「わかった、ではだ」
 それならとだ、タールートは彼に言った。
「余も正門に行こう」
「ダーウード殿を迎えに」
「妃そして娘を連れてな」
 そうしてとだ、王は自ら正門に行き実際に巨人達の多くの首を乗せた巨大な車を自ら曳いて正門に現れた彼の前に出てだ、自ら頭を下げようとしたが。
 ここでだ、ダ
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