第三章
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「足が出てね」
「だから抑えろ」
「自分自身を抑えろ」
「というかクールでいろ」
「いつも通りにな」
「うん、何かね」
周りに凄まじい力で抑えられつつ応える自由だった。
「あの娘を見ていたら」
「無意識のうちにか」
「足が出るのかよ」
「そうなるのかよ」
「そうなんだ」
どうしてもというのだ。
「何かね」
「おい、クールじゃないのか」
「クールさは何処に行ったんだ」
「マイク=ハマー並に動くな」
ハードボイルド系の探偵の中でもとりわけ行動的で過激な探偵だ、考えるよりも動くタイプで捜査中にどれだけ痛い目にあってもくじけない。そして最後は自ら犯人を殺してしまうことが常であり作中でも読者の間でも賛否両論の人物だ。
「どうなったんだよ」
「何でそこまで変わるんだ」
「というかそれが地か?」
「ひょっとしてな」
「いや、そんな筈はないけれど」
自由自身戸惑いつつ友人達に応える。
「何かね、あの娘を見ていたら」
「自然とか」
「身体が動くか」
「そういえばあの娘観る時顔が真っ赤だしな」
「表情もどんどん変わるしな」
「そうなってしまうんだ」
自分が意識せずともというのだ。
「本当に」
「どうもこっちが地みたいだな」
「そうだな」
「実はな」
「そうだったみたいだな」
「いや、そんな筈はないけれど」
まだこう言う自由だった。
「僕はクールなスタイルだよ」
「今は全然違うぞ」
「クールさなんて何処にもないぞ」
「風呂上りみたいに顔赤いしな」
「手だってな」
制服の袖から出ている手首までもがだ。
「何かな」
「しかも動こうとするしな」
「まずは情報収集だろ」
「そこからだろ」
「わかっていても」
頭ではだ。
「けれどね」
「それでもかよ」
「動かすにいられないっていうんだな」
「どうしても」
「うん、何かね。けれど皆そう言うし」
自由もようやく立ち止まった、そのうえで友人達に応えた。
「まずはね」
「ああ、どんな娘かチェックしろ」
「あの娘の友達とかにこっそり聞いていけ」
「そうしろよ」
「まずはな」
友人達はこう言って何とか自由に本人からではなく周りからの情報収集をさせた、だがその時も彼はあからさまであり。
いきなりだ、彼女と話していた娘達を見付けて彼女達の前に来ていきなり聞いてくる有様であった。
「名前は大西久子さんっていうんだね」
「え、ええそうよ」
「私達久ちゃんって呼んでるわ」
「けれどいきなりきたわね」
「名前聞いてきたわね」
「ひょっとして」
「色々聞かせてくれるかな」
気付いた彼女達にさらに聞く自由だった。
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